膝関節置換手術時の説明で2割弱の患者がホントは理解をしていない

TKR(膝関節置換手術)の必要性、リスク、ベネフィットの理解において、患者と医療従事者で、その考えに相違がある。この違いは患者満足度に影響を与え、治療への傾倒に関わる。患者側が積極的に参加することは、OAや手術的介入に関して重要。
だが、OA患者はTKRについての助言について混乱し、当惑している事実が浮かび上がった。

OAのTKRについて説明後、医師が勧める治療法について納得がいってない患者は18%。
逆に言えば、この時点で正しく、医師・患者の共通認識ができているのは82%だということである。


"(Mis)Understanding in patient-health care provider communication about total knee replacement"
Arthritis Rheum 2009; 61: 100-107.
Street RL Jr., et al



自分の経験だが、肺年齢なるもの(
禁煙指導時に”肺年齢”を示した方が禁煙成功率アップ! 2008年 03月 07日)を積極的に使用した時期があった。だが、いろいろ説明しなければならない事が多く、診療所の医者がこれをやると、却って混乱や昏迷をもたらす可能性がある。
診療のため非常に忙しい時期に、COPD患者に、“90歳超”だと説明したところ、一族郎党押しかけてきて、「うちの父はもうすぐ死ぬということなのか」、「うちの父を年寄り扱いした」、「そんなこと言われる筋合いはない」、「つまらんことを父に告げるな」などと・・・と、激しく文句を言われたことがきっかけで、この“肺年齢”の説明、当方から自発的にすることはしていない。

背景に充分な余裕をもってないと、なかなか患者・医者関係というのは築けない。その余裕とは時間的余裕、制度的余裕、社会的余裕なのだろう。社会整備が整ってないのに、人的責任だけを追及する現行医療制度が、医者患者関係をぎくしゃくさせている一因だということは、役人・御用学者・マスコミは永遠に認めないだろうが・・・

by internalmedicine | 2009-01-10 10:29 | 医療一般  

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