尿中Na、K単独排泄量より、Na/K排泄比が心血管疾患リスクでは重要


高Na/K排泄比は、その後のCVDリスク増加と関連し、Na、K単独より重要な意味をもつ


Joint Effects of Sodium and Potassium Intake on Subsequent Cardiovascular Disease
The Trials of Hypertension Prevention Follow-up Study
Arch Intern Med. 2009;169(1):32-40.
2974名の対象者で、フォローアップ情報は2275名(76.5%)で得られ、193のCVDイベントがあった。
ベースライン変数・ライフスタイル変化補正後、、性特異化尿中Na排泄4分位にて、最低:最高リスク比は 1.00, 0.99, 1.16, 1.20; P = .38 for trend) で、K排泄では、RR, 1.00, 0.94, 0.91, 0.64; P = .08 for trend)。
Na/K排泄比の4分位に関しては有意なトレンドがある(RR, 1.00, 0.84, 1.18, 1.50; P = .04 for trend)

同時測定モデルにて、以下の線形効果が認められる。

尿中Na排泄:0.99 ~ 2.04 per 100 mmol/24 h (P = .05)
尿中K排泄: 0.67; 0.41 ~1.10 per 50 mmol/24 h (P = .12)

Na/K排泄比を含むモデルだと、RR, 1.24; 95% CI, 1.05-1.46; P = .01) で、もっともBayes information criterion最少化で、best fitとなる。




CVDに対して、ナトリウム、カリウムの長期介入研究がなされ、リスク減少をもたらすことが示されたが、尿中排泄量に関して、量反応関係は同定されていない。
NaとKの生物学的相互作用が重要で、高血圧の病態生理上重要であり、それで、NaとKの尿排泄比と血圧増加、CVDとの関係について関心が向いている。
観察研究、Na、K摂取量不正確な把握では、不十分で、 Trials of Hypertension Prevention (TOHP)<BMJ 2007;334:885-885.>は、繰り返し24時間尿中電解質排泄測定したもので、18ヶ月間なされたTOHP I研究と、3年間のTOHP II研究がある。



正常高値血圧もどきの場合の減塩の効果 2007年 08月 31日(TOHP[Long term effects of dietary sodium reduction on cardiovascular disease outcomes: observational follow-up of the trials of hypertension prevention (TOHP))

by internalmedicine | 2009-01-13 10:17 | 動脈硬化/循環器  

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