非定型抗精神病薬も心臓突然死リスク増加と関連
2009年 01月 15日
定型抗精神病薬に加え、非定型抗精神病薬も心臓突然死リスクと関連し、用量依存的であった。
機序としては、in vitroにおいて再分極カリウム電流をブロックが示されており、QT延長をもたらすためと考えられている。心室性頻拍性不整脈が突然死を導く重要なメカニズムと考えられている。(Drugs 2002;62:1649-1671.)
Atypical Antipsychotic Drugs and the Risk of Sudden Cardiac Death
N Engl J Med. Vol. 360:(3) 225-235 January 15, 2009
著作権配慮のため見にくいが、左から Haloperidol、Thioridazine(メレリル)、Clozapine、Olanzapine(ジプレキサ)、Risperidone(’リスパダール)で、死亡数、人年、incidence-rate ratio比較
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テネシー州の後顧的研究で、補正心臓突然死頻度を計算し、プライマリ解析は定型抗精神病薬44218名、非定型抗精神病薬46089名の薬剤使用者を解析し、186000名の対照をもうけた
定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬現行使用者は、未使用対照に比べ心臓突然死が多い
補正incidence-rate比 1.99 (95% 信頼区間 [CI], 1.68 ~ 2.34) と 2.26 (95% CI, 1.88 to 2.72)
非定型抗精神病薬使用は定型抗精神病薬に比べ、その頻度リスク比は 1.14 (95% CI, 0.93 ~ 1.39)
使用歴有りの場合は、リスクは有意に増加せず(incidence-rate ratio, 1.13; 95% CI, 0.98 to 1.30)
両群薬剤に対して、現行使用者リスクは、用量依存的に有意に増加
定型抗精神病薬使用のうち、低用量に対して高用量使用者のリスクは1.31(95% CI, 0.97 ~ 1.77)→2.42 (95% CI, 1.91 ~ 3.06)
非定型抗精神病薬使用においては、1.59 (95% CI, 1 .03 ~ 2.46) →2.86 (95% CI, 2.25 to 3.65) と増加
これらの所見はpropensity scoreマッチさせたコホートで同様
by internalmedicine | 2009-01-15 09:13 | 精神・認知