Xenical(Orlistat) OTC発売?
2009年 01月 15日
国は、ナイシトールなどの麻黄含有製品を放置し続けるつもりか? 2008年 07月 16日)
薬事日報:【大正製薬】抗肥満薬の日本での開発・販売権をGSKから取得
医療関係者としては、
・処方薬剤の半分量:効果不十分の可能性はないか?などを危惧する。
・胃腸系副作用:OTCとして許容できる範囲か?
・長期服用経験データの不足:服用長期化の可能性に対する危惧
・薬剤相互作用
Orlistatは、腸腔に働き、約30%ほど食事性脂肪吸収を減少させるtriacylglycerol lipase inhibitor である。orlistat使用対象者には推奨され、薬物的効果は食事由来脂肪の存在に依存する。
主な副作用は、脂肪様滴状、水溶便、逼迫便意などが典型的短期的副作用
ライフスタイル介入単独より約3%ほど体重を減らすという単独研究結果
4年に及ぶひとつのトライアル (Xenical in the Prevention of Diabetes in Obese Subjects)で、ライフスタイル介入を上回る糖尿病頻度減少報告がある。
他のトライアルでは、orlistat+sibutramine治療併用では各々の単独群より優越性はなかった。
Orlistatは、トライアルで用いた使用量より低用量使用(60 mg×3回/日)がOTC薬剤として販売されている、この投与量での効果は、4-24ヶ月で約2%体重減少効果が示されている。
Nonsurgical Management of Obesity in Adults
N Engl J Med. Vol 358:1941-1950 May 2005
肥満治療薬のメタアナリシス 2007年 11月 22日プラセボ比較
・体重減少 2.9 kg (95% 信頼区間 2.5 kg ~ 3.2 kg; 15 studies; ) or 2.9% (2.5% to 3.4%; 13 studies)超
・絶対的パーセンテージ5%、10%体重減少達成率 21% (54% v 33%; 18% ~ 24%; 14 studies) と12% (26% v 14%; 9% ~ 14%; 13 研究)
・糖尿病患者での、プラセボ差分体重減少は2.6%(2.1% ~ 3.2% ;5研究)、 2.3 kg (1.6 kg ~ 3.0 kg; 4研究)
・体重減少相後の体重のばらつきがめだつが、体重減少は2年時点で維持
さかのぼると、Ann Int Med. Vol. 142 (7) 532-546 2005にて、

肥満は21世紀の最大の公衆衛生の問題の一つであり、2005年にWHOは約16億人の過体重、最低4億人の肥満者がいると報告している。この頻度はさらに劇的に増加し、高血圧、冠動脈疾患、末梢閉塞性血管疾患などの心血管疾患のリスクをもたらす。
非薬物的方法により体重減少できなかった人を対象に薬剤治療により補助的に行われている。薬物治療は、食事・ライフスタイル変容を含む減量マネージメントプログラムの一つとして捕らえるべきである。
Current pharmacotherapeutic concepts for the treatment of obesity in adults
Therapeutic Advances in Cardiovascular Disease.2009; 3: 75-90
薬剤相互作用としては、RxListによれば、”アルコール、Cyclosporine、Digoxin、脂溶性ビタミン、Glyburide、Nifedipine徐放、経口避妊薬、Phenytoin、Pravastatin、Warfarin”があるようだ。
by internalmedicine | 2009-01-15 20:37 | 糖尿病・肥満