上気道炎の鎮咳剤:非麻薬末梢性鎮咳剤+去痰剤併用が有効
2009年 01月 16日
Clinical Evidenceでは、”acute bronchitis”という名称での検討で、小児ではDextromethropan 、成人ではコデイン・Moguisteineについての報告(http://clinicalevidence.bmj.com/ceweb/conditions/rda/1508/1508_I4.jsp)
OTC薬剤における正・負のいづれのエビデンスが欠如している(BMJ 2002;324:329)というのが一般的見解。
その後、OTC感冒薬や鎮咳剤の小児での危険性がUSでは問題となっている(小児へのかぜ薬、鎮咳薬中止すべき? 2007年 03月 03日)。
今回の検討は・・・以下の二剤についての単独・併用の検討
非麻薬系末梢性鎮咳剤:Benzonatate (Oral Route):局所麻酔作用により、肺進展受容器、気管粘膜の受容器を麻酔し、求心性インパルスの発生を抑制し、咳反射を抑制する。
去痰剤:Guaifenesin (Oral Route)
上記、それぞれ単独、併用、プラセボの二重盲検スタイルの、上気道炎患者に対する、カプサイシン誘発咳嗽による比較
Inhibition of cough-reflex sensitivity by benzonatate and guaifenesin in acute viral cough
Respiratory Medicine, 01/15/09 doi:10.1016/j.rmed.2008.12.008
7日間の3別日において、カプサイシン咳嗽誘発試験、カプサイシン倍加濃度漸増にて5回以上の咳嗽を誘発濃度(C5)をプラセボ比較
B+GはB単独、G単独より鎮咳効果 (p < 0.001、p = 0.008)あり
日本では、非麻薬系だと、中枢性鎮咳剤 ”デキストロメトルファン”が主体になってしまう。
”麦門冬湯”(TJ-29)を末梢性と記載されているようだが、まともなエビデンスがない(Google scholar)
by internalmedicine | 2009-01-16 15:26 | 呼吸器系