上気道炎の鎮咳剤:非麻薬末梢性鎮咳剤+去痰剤併用が有効

上気道炎に伴う咳嗽に対する薬剤ランダム化試験は欧米でもほとんどなされてない。
Clinical Evidenceでは、”acute bronchitis”という名称での検討で、小児ではDextromethropan 、成人ではコデイン・Moguisteineについての報告(http://clinicalevidence.bmj.com/ceweb/conditions/rda/1508/1508_I4.jsp

OTC薬剤における正・負のいづれのエビデンスが欠如している(BMJ 2002;324:329)というのが一般的見解。


その後、OTC感冒薬や鎮咳剤の小児での危険性がUSでは問題となっている(小児へのかぜ薬、鎮咳薬中止すべき? 2007年 03月 03日)。

今回の検討は・・・以下の二剤についての単独・併用の検討
非麻薬系末梢性鎮咳剤:Benzonatate (Oral Route):局所麻酔作用により、肺進展受容器、気管粘膜の受容器を麻酔し、求心性インパルスの発生を抑制し、咳反射を抑制する。

去痰剤:Guaifenesin (Oral Route)


上記、それぞれ単独、併用、プラセボの二重盲検スタイルの、上気道炎患者に対する、カプサイシン誘発咳嗽による比較

Inhibition of cough-reflex sensitivity by benzonatate and guaifenesin in acute viral cough
Respiratory Medicine, 01/15/09 doi:10.1016/j.rmed.2008.12.008
7日間の3別日において、カプサイシン咳嗽誘発試験、カプサイシン倍加濃度漸増にて5回以上の咳嗽を誘発濃度(C5)をプラセボ比較

B+GはB単独、G単独より鎮咳効果 (p < 0.001、p = 0.008)あり



日本では、非麻薬系だと、中枢性鎮咳剤 ”デキストロメトルファン”が主体になってしまう。
”麦門冬湯”(TJ-29)を末梢性と記載されているようだが、まともなエビデンスがない(Google scholar

by internalmedicine | 2009-01-16 15:26 | 呼吸器系  

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