トレチノイン局所投与で死亡率増加(VATTC トライアル)
2009年 01月 20日
”東京大学付属病院など、一部の大学病院や皮膚科・形成外科などで、院内調剤された軟膏の処方を受けることは可能”と書かれているが、そういったところは、インフォームド・コンセントにこのトライアル結果を告知する義務が追加された。
トレチノイン(0.1%)が、皮膚癌減少するということでなされた研究にて、治療群で82名、プラセボ群で53名死亡(P=0.01)であった。累積死亡は治療群122で、対照群90名(P=0.02)。
腸か脂肪がVATTCデータでみられ、治験中止の決定がなされた。
Topical Tretinoin Therapy and All-Cause Mortality
Arch Dermatol. 2009;145(1):18-24.
平均年齢71歳で、97%が男性という治験被験者構成
Dr. Weinstock らはcausal linkを弱らせたファクターが他にあると述べている。
用量依存的でなく、1日1回投与のほうが2回投与より影響が大きいというのも、causal linkがないという根拠の一つ。喫煙と薬物の関係もあるとのべ、原因は一つではないと・・・局所投与にて吸収が最小限であり考えにくいという主張。
そして、死亡がこのトライアルのエンドポイントでなく、VATTCは死亡をアウトカムの要求としてなかったという。
対象者が高齢であり、以前の研究より投与量が多かったことも注意すべき
エディトリアルは、”VATTCの結果を分別をもってレビュー”し、疑わしき有害性は、疑いがはれるまで避けるべき”という表明
by internalmedicine | 2009-01-20 10:58 | 医療一般