高齢者における全般性不安障害に対するSSRI:無効

全般性不安障害:Generalized anxiety disorder (GAD)
・被治験向け説明:http://www.e-chiken.com/shikkan/gad.htm
全般性不安障害は、●不安をコントロールすることが難しく、不安によって日常生活が障害される、●不安がより顕著で、より持続し、気分を落ち込ませる、●易疲労感やイライラ感、落ちつかないなどの症状を伴う点で、我々が日常感じる通常の不安と異なります(DSM-IV 1994: 432-436)。また、全般性不安障害では、手がふるえる、筋肉がピクピクする、フラフラする、筋肉痛、口渇、冷や汗がでる、手足が冷たい、頻尿、ものが飲み込みにくい、ちょっとしたことでビックリする、などの多彩な症状をしばしば伴います(DSM-IV 1994: 432-436)。

・Treating Generalized Anxiety Disorder: Evidence-Based Strategies, Tools, and Techniques (amazon.co.jp)



Escitalopram for Older Adults With Generalized Anxiety Disorder
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(3):295-303


老人で多い精神疾患で、SSRIが、このGADを有する老人に有効かを、177名の60歳以上のGAD診断例に、SSRI escitalopram (10-20 mg/d) と プラセボを12週間、ランダム割り付けで、主要アウトカムは、累積反応で、 Clinical Global Impressions-Improvement scaleの訓練をうけた検査者のレーティングで、anxiety rating scale scores、被験者自己報告、検査者の印象を合成したもの


12週時点での累積頻度は、escitalopram群でプラセボより多かった。
しかし、ITT分析では有意差は無くなった。


”anxiety disorder" DSM-IVの分類
・Generalized anxiety disorder:全般性不安障害
・Panic disorder:パニック障害
→ With agoraphobia:広場恐怖を伴なうパニック障害
→ Without agoraphobia:広場恐怖を伴わないパニック障害
・Agoraphobia without history of panic disorder:パニック障害病歴のない広場恐怖
・Specific phobia
・Social phobia:「社会不安障害」
・Obsessive-compulsive disorder:強迫性障害
・Posttraumatic stress disorder
・Acute stress disorder:急性ストレス障害
・Anxiety disorder:不安障害
→ Anxiety disorder due to... [indicate the general medical condition]
→ Anxiety disorder NOS

by internalmedicine | 2009-01-21 10:04 | 精神・認知  

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