手術関連死対策:"surgical safety checklist"

“指さし、声出し 安全確認”というのが、JRなどでなされていると聞くが、手術場でも行われるようになるかもしれない。手術室を”operating theatre”と称しているところに感心してしまった。


手術しや合併症は国際的な公衆衛生問題であり、WHOは毎年50万人の予防できる手術合併症死があるという。


論文(Sensitivity of routine system for reporting patient safety incidents in an NHS hospital: retrospective patient case note review
BMJ 2007;334:79 (13 January))のエディトリアル(BMJ 2009;338:b220 )だが、今後日本でも話題になるかもしれない。

2008年6月、WHOは” Safe Surgery Saves Lives campaign”に着手し、”"surgical safety checklist" (www.who.int/patientsafety/safesurgery/en/) にて、完全なoperating theatre teamが患者の理解、手術施行、抗生剤予防やDVT予防などのエビデンスに基づく介入などが施行できているかを確認するもの

19項目のチェックリストは、3つのステージ、麻酔導入(sign in)、皮膚切開直前(time out)、operating theatre(sign out)までを含む。

チェックリストの項目は、患者・他のチームメンバーも言葉に出して確認しなければならない。


導入前(患者3733名)、導入後(3955名)比較をWHO Safe Surgery Saves Lives Study Groupは行い(N Engl J Med 2009 Jan 14BMJ 2009;338:b157.)、死亡率は47%減少(1.5% → 0.8%, P=0.003)、術中合併症は35%(11% → 7.0%、P<0.001)減少した。改善は参加施設8つの病院でみられ、低所得国から高所得国までを含むものであった。
論文著者らの検討によると、改善のメカニズムは不明で、多要因的であるとしている。一つの要因は、ホーソン効果 (Hawthorne effect)で、インフォーマルな人間関係が労働作業能率に影響を与えるというものも考えられるとのこと。
イギリス・ウェールズではWHO checklistの改訂版を2010年2月までに完全に導入することとなった(National Patient Safety Agency)。

by internalmedicine | 2009-01-23 08:19 | 医療一般  

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