HDL粒子のサイズ・濃度 と 冠動脈リスク

High-density lipoprotein (HDL) コレステロールは冠動脈疾患(CAD)のリスクに逆相関する。だが、HDL粒子はサイズ・成分ともheterogenousであるため、心血管リスク要因や心血管リスクに関して様々である。


症例対照研究、EPIC (European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition)-Norfolk cohort内の検討

明かな健常者フォローで、入院・死亡に帰結するCAD発症群と性、年齢、参入時期補正の対照比較

HDLサイズ、HDL粒子濃度とも他の心血管リスク要因と、CADリスクと独立して相関した。そして、HDLサイズとCADリスクの相関はメタボリックシンドロームと関連するマーカーで説明でき、HDLコレステロールとCADリスクの相関は単純にメタボリックリスクの反映に過ぎないということ



High-Density Lipoprotein Particle Size and Concentration and Coronary Risk
Ann Int Med Vol. 150 (2) 84-93 20 Jan. 2009
Nuclear magnetic resonance (NMR) spectroscopy–測定 HDL 粒子濃度 (平均, 33.9 µmol/L [SD, 5] vs. 32.9 µmol/L [SD, 6]; P < 0.001) と HDL サイズ (平均, 8.9 nm [SD, 0.5] vs. 8.8 nm [SD, 0.5]; P < 0.001)、 濃度勾配ゲル電気泳動法–測定 HDL サイズ (平均, 8.9 nm [SD, 0.4] vs. 8.8 nm [SD, 0.4]; P = 0.005) は、対照ケース被験者たちよりいずれも低値

High-density lipoprotein サイズ と HDL 粒子濃度は、弱い相関(NMR spectroscopy r = 0.08, f ; 濃度勾配ゲル電気泳動法測定 r = 0.10 )


High-density lipoprotein サイズは、メタボリックシンドロームリスク特性(ウェスト・ヒップ比、トリグリセリド、アポリポ蛋白 B値)に強く相関するが、 HDL 粒子濃度 ではその相関はない。

HDL サイズ も HDL 粒子濃度も独立したCADリスクと相関

アポリポ蛋白 Bとトリグリセリド補正にて HDLサイズとCADリスクの相関は、消失。(4分位トップと底比較:補正オッズ比, 1.00 [95% CI, 0.71 ~ 1.39])するが、 HDL 粒子濃度については、 CADリスクに関して独立性は維持 (補正オッズ比, 0.50 [CI, 0.37 ~ 0.66])




HDLサイズのリモデリングという概念もあるようだ
http://www.lifescience.jp/ebm/cms/cms/no.1/report/report2_2.htm#fig8

small denseやら・・・後日、まとめよう・・・

by internalmedicine | 2009-01-24 10:23 | 動脈硬化/循環器  

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