腹部肥満・運動不足老人への至適運動指導は、レジスタンストレーニングと好気的運動の組み合わせ
2009年 01月 27日
役人・御用学者・プチ政商達が”パワーリハビリ”騒動で、むちゃくくちゃにしてくれた、日本の老人への運動指導
パワーリハビリテーションに関する・・・・シリーズ(1) 2005年 12月 09日
パワーリハビリテーションに関する・・・・シリーズ(2) 2005年 12月 11日
一定の見解でまとまりそうだ・・・
慢性疾患やdisabilityを有する老人への運動様式、resitance exerciseと好気的運動の組み合わせと、それぞれ単独の漸増的影響については未だ不明
Davidsonらはランダムに、腹部肥満男女136名を、resitance exercise、好気的運動、その組み合わせ運動に割り付け
好気的運動90分+60分resitance exercise、週3日施行(すなわち、複合運動週150分)が、インスリン抵抗性改善と機能的制限への最適な運動ストラテジーであった。
Effects of Exercise Modality on Insulin Resistance and Functional Limitation in Older Adults
A Randomized Controlled Trial
Arch Intern Med. 2009;169(2):122-131.
【序文】 権威者たちは、resitance exerciseと好気運動が、慢性疾患やdisabilityを有する老人に対してリスク要因軽減のために必須であるとadvocateしている。しかし、resitance exercise+好気的的運動という2つの運動様式の組み合わせ施行と、それぞれ単独の運動様式施行での、疾患やdisabilityへのリスク要因への比較については不明である。
【方法】 Queen's Universityにおいて、136名の閉じこもり、腹部肥満男女を2002年9月30日から2006年11月15日まで
被験者をランダムに4群の一つに割り付け、6ヶ月
・resistance exercise
・好気的運動
・resistance exerciseと好気的運動 (組み合わせ)
・非運動対照
プライマリ・アウトカムはITTモデルにて解析し、hyperinsulinemic-euglycemic clampによるインスリン抵抗性の変化、4試験組み合わせによる平均的変化を用いた運動機能制限評価 (average z score)
【結果】 年齢、性、ベースライン値補正後、インスリン抵抗性は好気的運動群、組み合わせ群で改善したが、resistance exercise群では改善無し
組み合わせ運動群はresistance exercise群より改善(平均[SE])の差あった(毎分骨格筋kgあたり 9.2 [1.3] vs 1.8 [1.3] mg/mL/µIU x100 [P < .001])が、好気的運動群とは改善の差が見られなかった (毎分骨格筋kgあたり 9.2 [1.3] vs 6.5 [1.3] mg/mL/µIU x100 [P = .46])。
機能制限状態は、全群で対照群より有意に改善した (0.5 [0.1] vs –0.0 [0.1]; standard units, z score [P = .003])が、resistance exercise群と有意差はなかった。組み合わせ群の改善が好気的運動群より大であった(0.5 [0.1] vs –0.0 [0.1]; standard units, z score [P = .003])が、resistance exerciseでは無かった。resistance exercise群の改善は好気的運動群と差はなかった。
【結論】 resistance exerciseと好気的運動の組み合わせが、自宅から動かない、腹部肥満老人に対する、インスリン抵抗性、機能的運動制限改善のためには、最適な指導方法である。
by internalmedicine | 2009-01-27 10:32 | 運動系