医療のIT化で、コスト軽減・合併症・死亡率低下

米国では、分断化、高価、非安全、不公平と揶揄されている医療の問題点を改善するための
電子カルテ、コンピュータ化オーダーシステム、臨床決定サポートシステムなどの臨床・医療ITにより、これらの不評の対策、無駄の軽減、コミュニケーション改善、質の改善、 自動パフォーマンス測定によるあたらしいアカウンタビリティーの存在
というころらしいのだが、日本では、政府が各医療機関のデータを利用して、医療費削減の根拠を見つけ出そうとしているだけ・・・厚労省の役人が何も考えてないのは、「”IT技術”&”IT技術” mhlw」というキーワードでグーグル検索すると、すぐわかる。


そもそも”IT技術”って、”EBMに基づく医療”と同様、アホ丸出しの言葉("information technology"技術:情報技術技術、"EBMに基づく”Evidenceに基づく医療に基づく)・・・医療上必要なものまで、”無駄無駄”と頭の悪いステレオタイプの発言をする役人・政治家・マスコミ・・・表層しか考えられない薄っぺらな人達のせいでいろんな弊害が起きてるわけだが、さらに、それを強要する連中の存在


病院施設でのITのインパクトについての研究は簡単には行かない、
多くの研究は一ヶ所の評価に偏り、多くは学術的施設であり、内部的なシステムとしてのみ行われている独自のもので、我田引水的な自己システムの自慢に過ぎないことも多い。そして、日本では、臨床に携わることのない部署の研究者の独自の思いつきで、実践さえ伴わない根拠のない意見が一人歩きしている可能性があるのである。米国の病院の多くは、今、さまざまな電算能力を用いた商業的情報システムの採用を考慮してはいる。しかしながら、その効果に関して担保する研究が少なすぎるという。

今回検討された論文のシステムは、4つの基本サブドメイン:メモ・記録、テスト結果、オーダー入力、意思決定サポートからなりつたつシステムである・・・根本的に馬鹿厚労省の考えているIT化とは異なるのである。

Clinical Information Technologies and Inpatient Outcomes
A Multiple Hospital Study
Arch Intern Med. 2009;169(2):108-114.
テキサスの横断研究で、”Clinical Information Technology Assessment Tool”を用いて、各病院の情報システムの医師のinteractionに基づくautomationのレベルを測定
交絡因子補正後、入院情報のオートメーション化の促進が、院内死亡率、合併症、コスト、滞在日数減少と相関するか、157233名の50歳超の入院患者で検討(2005年12月1日~2006年5月30日)
【結果】
回答数は41/72
メモ・記録の数が自動化10ポイント増加で、死亡退院となる入院の補正オッズ比15%1減少と相関 (0.85; 95% 信頼区間l, 0.74-0.97)
老人での高いスコアは、心筋梗塞・CABG施行補正後それぞれ9%、55%減少
全入院原因のうち、意思決定サポート高スコアは、合併症補正オッズ後16&減少(0.84; 95% 信頼区間l, 0.79-0.90)
テスト結果、オーダー入力、意思決定サポートの高スコアは全入院数のコスト低下と相関(–$110, –$132, and –$538, 各; P < .05)

【結論】 メモ・記録自動化、カルテ、オーダー、臨床意思決定サポートの促進された病院は合併症が少なく、死亡率少なく、コストも少ない





萎縮医療および低コスト医療を強要する流れ 2006年 12月 02日

by internalmedicine | 2009-01-27 11:26 | くそ役人  

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