COPD:やせと身体活動、病期分類、BODE指数のパズル:Stage IIから積極的身体運動指導を

京都大学の先生方が示した
BMI correlated with LAA% ({rho} = –0.557, p<0.0001) but not with WA%.
Body mass index in male patients with COPD: correlation with low attenuation areas on CT. Thorax 64: 20-25
という報告は、COPD・肺気腫がやせと関連する病態であることを示し、今の”痩せとけばよい”という厚労省のメタボ至上主義時代の強力なアンチテーゼとなる。

BODE指数(関連:慢性閉塞性肺疾患COPDの新しい予後指標 BODE 2004年 03月 04日)の”FEV1、6分間歩行距離、呼吸困難度、body mass index”をあわせ考えて、再度、身体活動性をあわせ考えてみる・・・パズルの世界になってるようだ。


Physical activity in patients with COPD
Eur Respir J 2009; 33:262-272
この研究は、COPD患者の身体活動性測定が目的であり、
1)身体活動性の制限となる病期は・・・
2)身体活動性に関わる臨床的と構成の相関は・・・
3)非活動的な患者の身体特性を同定するpredictive powerは・・・
4)身体活動性測定の信頼性解析

COPD、Stage I-IV;BODE 0-10の163名と慢性気管支炎(正常のスパイロメトリ; 以前言われていたGOLD stage 0)の29名
1日間歩数記録による活動性モニター、5日間(3日の平日+土・日)中等度運動・身体活動の分数

慢性気管支炎に比べ、1日歩数、中等度運動・身体活動分数はGOLD stage II/BODE score 1で減少し、GOLD stage II/BODE score 3/4は、stage III/BODE score 1より減少
身体活動性測定の信頼性は、測定日数が増えるほど、GOLD stageが増加するほど改善
臨床特性と身体活動性には中等度相関が見られる。

GOLD stages III と IVは、非活動性の程度の高い患者として高度に予測される

COPD患者の身体活動性低下は、GOLD/body mass index、気道閉塞、呼吸困難、運動能力スコア1で減少

COPDの臨床的特性は、身体活動性を充分に反映しない。



COPD Stage II、BODEスコア1程度で、運動不足となっているようだ・・・このStageでも運動啓発を積極的に行う必要がある

by internalmedicine | 2009-01-31 10:43 | 呼吸器系  

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