PCI時の造影剤量とその後のCIN(造影剤誘発性腎症)と死亡率の関係

前向き研究などの根拠を見いだせないが、PCI施行時の造影剤細動量の設定は、日本では”体重×4倍程度をもって最大量(約200~300ml)(pdf)という記載がある。

Contrast Volume During Primary Percutaneous Coronary Intervention and Subsequent Contrast-Induced Nephropathy and Mortality
Ann Int Med.Vol. 150 Issue 3 Pages 170-177 3 February 2009
【背景】 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた急性ST部分上昇型心筋梗塞 (STEMI)で、Contrast-induced nephropathy (CIN) が観察され、それがより多くの合併症をともなう臨床経過や死亡率増加と相関する

【目的】STEMIの機械的再潅流における、絶対的、体重-、クレアチニン補正造影剤量、CIN頻度、臨床アウトカムの相関考察

【デザイン】 前向き、観察研究

【セッティング】 A university cardiology center in Milan, Italy.

【患者】 561名のPCI初回施行のSTEMI連続患者

【測定】 各患者で計算
5×BW[kg[/体重[kg]/sCrという最大可能投与量
・コントラスト比:投与造影剤量と最大可能投与量

ベースラインから25%増加をCINと定義


【結果】115 (20.5%)でCIN発症
入院死亡率はCINなしよりCINの方が多い (21.4% vs. 0.9%; P < 0.001)。
最大造影剤投与量を130(23%)の患者で超過

最大投与量超 (contrast ratio >1) の造影剤を受けた患者は、それ未満 (contrast ratio >1) 造影剤投与患者に比べ、在院臨床経過中合併症、死亡が多い(13% vs. 2.8%; P < 0.001)

CIN発症は造影材料と造影剤濃度両方に関連する

【限界】 造影剤量とアウトカムの相関は、一ヶ所のセンターで観察され、それは合併症や疾患重症度、未知要因かもしれない。

【結論】 STEMIに対する初回PCIにおいて、造影剤投与量はCINと死亡率と相関
しかし、造影剤量を制限して患者のアウトカムが改善するかは将来研究が必要



Crで割ると、日本人は筋肉量が少ないのでちょっと心肺で、過剰投与な気がする

by internalmedicine | 2009-02-04 15:11 | 動脈硬化/循環器  

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