β遮断剤は恐怖反応を消し去る

高圧治療として、β遮断剤を第一選択にすることが少なくなってきた。BBCでも、プロプラノロールを心臓病薬と紹介されているところに、時代を感じる。私などが卒業したときはβ遮断剤の使い分けができることが循環器医のうでの一つだったのに・・・脂溶性β遮断剤というところに着眼して、中枢性作用を期待する部分と、副作用に、「幻覚、抑うつ、悪夢、錯乱」というのがあることも当時議論の元となっていたのだが・・・

薬も使いようなのだろうか?

Beyond extinction: erasing human fear responses and preventing the return of fear
Nature Neuroscience
Published online: 15 February 2009 | doi:10.1038/nn.2271


動物研究にて、回想時、reconsolidation(再統合)され、fear memories(恐怖記憶)に変化が生じることが示されている。
βアドレナリン作動性受容体アンタゴニストの経口投与をヒトのmemory reactivation前に行えば、24時間後の”fear memory”の行動的発現を消し去り、恐怖回帰を予防できることを発見

恐怖記憶の再統合を中断させることは情緒的疾患患者の長期治療に新しい道筋をつけることになる


BBCにて、報道(Heart pill to banish bad memories  Page last updated at 11:03 GMT, Monday, 16 February 2009)

恐怖記憶をボランティアの手首に軽度電気ショックを当て、蛛の絵と結びつける恐怖記憶を形成させる。
その後、β遮断剤投与と、ダミー薬剤投与群の2群にわけた。
ボランティアが、突然の雑音により、絵の恐怖を示すかを評価し、まばたきの強さで、いわゆる”startle response"(驚愕体験)を測定した。

by internalmedicine | 2009-02-17 10:52 | 精神・認知  

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