前立腺癌死という意義づけだと高齢者PSA検診は不要

下記報告と同様・・・の話


前立腺がん:75歳 PSA<3では検診継続の必要なし?  2008年 05月 26日
PSA 3 ng/mLの75歳男性では、よりaggressive diseaseとなるリスクはすくないため、前立腺癌ルーチン献身は必要ないという、意見文(Carter HB, et al "Prostate specific antigen testing among the elderly: When to stop?" J Urol 2008; 179(suppl): 600. Abstract 1751.
AUA: PSA Testing Might Not Be Necessary for Older Men
Published: May 23, 200


Eurekalert(http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-02/ehs-wsp021709.php)から・・・

PSA値が3ng/mL未満では75-80歳で前立腺癌死はないと the Journal of Urologyで発表

このレポートは前述の報告そのもので、2008年、American Urological Association年次総会で発表されたものである。
PSA健診を75歳で中止する潜在性リスクを検討するため、849名の、Baltimore Longitudinal Study on Aging研究参加者で検討
フォローアップ中央値10年

Median follow-up was 10 years during which the men had a median of four PSA tests.

122名の前立腺癌男性と727名の前立腺癌無し男性を検討
後者は185名のフォローアップ中死亡を含み、剖検で24(3.3%)で前立腺癌あり
年齢rangeは40-92歳
最初のPSA中央値は0.76 ng/mLで、前立腺癌男性では1.25 ng/mLで、前立腺癌なし男性では0.7 ng/mL (P=0.001)で、それぞれ、最終的な中央値PSA値は1.5 ng/mL、5.1 ng/mL、1.23 ng/mL(p=0.001)。
前立腺癌診断での年齢中央値は72.7で、死亡年齢中央値は、全部で75.2、前立腺癌男性で83.1、前立腺癌なしで73.1歳 (P<0.001)

著者らは、高リスク前立腺癌進展可能性を計算、60-65歳でPSA <1 ng/mL 、 >3 ng/mLで層別化
高リスク前立腺癌をそれによる死に至らしめる前立腺癌と定義し、PSA値 >20 ng/mL、Gleasonスコア≧ 8に相当
122名の前立腺癌男性で、18名が前立腺癌死、17名が高リスク癌
35名のサブグループでは、全員が フォローアップ中、>3 ng/mLで、727名が前立腺癌無しあるいは87名の前立腺があり生存と比較可能であった。


著者らは、PSA 3.0 ng/mL以上では前立腺死亡リスクは全年齢層であるとのべ、PSAの凍結血清使用という制限や診断時の前立腺癌の病期やgrade評価がなされてないことなどの研究の限界を記載している。


あくまでも、後顧的研究のため、PSA値による行動変容は否定できない。ただ、検診という枠内では、高齢者PSA検診の妥当性は否定的と言わざる得ないと思う。

読売新聞がPSA検診の議論に熱心なようだが、リスク層別化を無視した、十把一絡げの意見が見られ、繊細さをいささか欠いた議論のように思うのは私だけか・・・例として国別比較というあまりに大胆比較を根拠とするのはいかがなものだろう・・・・( http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/karadaessay/20060825ik09.htm

by internalmedicine | 2009-02-21 08:54 | がん  

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