乳製品・カルシウム摂取と癌リスク:とくに大腸癌の関連が深い

この研究では男性では、全癌という観点からは、カルシウム摂取と癌のリスクは無縁だったが、女性では、カルシウム総量1.3g/日を上限にリスク減少減少が見られたというもの
両性とも、消化管、直腸結腸に関して、乳製品とカルシウムはリスク減少性に働いた

Dairy Food, Calcium, and Risk of Cancer in the NIH-AARP Diet and Health Study
Arch Intern Med. 2009;169(4):391-401.
【方法】 乳製品とカルシウム摂取と全癌、個別部位ごとの癌の関連をNational Institutes of Health (NIH)-AARP (以前のAmerican Association of Retired Persons) Diet and Health Studyで検討

【結果】 平均7年フォローアップ、男性36965名、女性16605名
カルシウム摂取は男性の全癌と関連せず、非線形に女性では全癌と関連する。1300mg/日というポイントまでリスクは減少するが、それ以上ではリスク減少が見られないというもの。

男女とも、乳製品・カルシウム摂取は消化器系癌と逆相関(多変量解析相対リスクは最高5分位 vs 最低5分位:男性 0.84; 95% CI, 0.77-0.92;女性 0.77; 95% CI, 0.69-0.91)

リスク減少は主に結腸直腸癌と関わる

サプリメントカルシウム摂取は直腸結腸癌リスクに逆相関

【結論】この研究にて、カルシウム摂取は全癌のリスク減少と関連し、消化管系の癌と関連する、特に、直腸結腸癌と関連する

by internalmedicine | 2009-02-24 10:37 | がん  

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