腹部周囲径と偏頭痛リスク
2009年 02月 26日
Peterlin BL, Rosso AL "Prevalence of migraine in abdominal obesity throughout the adult life-cycle: NHANES 1999-2004" AAN 2009.
22211名の偏頭痛・重症頭痛患者のアンケート
研究によって、年齢、性別、体脂肪が、偏頭痛リスクの影響が有りと示された。
20-25歳の年齢で、ウェイスト径大の場合、偏頭痛発作が、ウェスト径小の場合より多い
臍周りの過剰脂肪のあるひとはの偏頭痛比率は35%、無しの場合は29%
同年齢の男性の場合は、腹部肥満では20%で、無しの場合は16%
腹部肥満女性は、心臓リスク要因や総体重補正後も1.3倍のリスク残存
男性では、有意差無し
55歳以上の女性では偏頭痛オッズ比は減少する。
腹部に脂肪がたまる原因と、女性偏頭痛の共通プロセス? もしくは 交絡因子?
肥満と偏頭痛の関係の考察
Obesity, migraine, and chronic migraine
Possible mechanisms of interaction
NEUROLOGY 2007;68:1851-1861
偏頭痛と肥満はいくつかの関係があるi
1)両方とも、遺伝・環境に影響される、頻度の多い、disabilityを呈する疾患である
2) 前兆をともなう偏頭痛は、肥満とともに心血管イベントリスクである
3)大規模住民ベースの研究で、肥満は交絡因子補正後も慢性片頭痛のリスク要因である
・炎症性メディエーター
interleukins と calcitonin gene-related peptide (CGRP)
偏頭痛発作の頻度、重症度、症状期間増加と関連し、central sensitizationをもたらす原因となっているという可能性
繰り返す、central sensitizationは、 periaqueductal gray areaへのneuronal damegeをももたらし、恒久化する可能性があり、疼痛のpoor modulationを来す。
肥満は交感神経を緊張させ、頭痛頻度を増加させる。
adiponectin濃度減少が肥満でみられ、低濃度では、adiponectinは侵害受容性(nociceptive)となるが、正常濃度ではそうではないという現象がみられる。
頭痛・肥満に共通する生物学的要素に関して、orexinは疼痛と代謝両者を調整する。orexinは両者のリスク要因となり得る。
by internalmedicine | 2009-02-26 11:02 | 内科全般