アルコール乱用はうつを起こすが、逆は真でない。

Alcohol Abuse May Cause Depression, Not Vice Versa
アルコール乱用はうつを起こすが、逆は真でない。


アルコール乱用・依存( alcohol abuse or dependence (AAD) )と”うつ病”(Major Depression(MD))の合併について、検討がなされているが、AADがMDの原因になるか、また、逆はどうかという検討。

共役因子補正固定効果回帰モデル(fixed-effects modeling)と構造方程式モデリング(structural equation model:SEM)を用いて、原因の方向性確認試験を一般住民サンプルでおこなったもの


Tests of Causal Links Between Alcohol Abuse or Dependence and Major Depression
Arch Gen Psychiatry. 2009;66(3):260-266.

1055名のAADとMDのデータ(17-18歳、20-21歳、24-25歳)
【主要アウトカム測定】 各年齢にて、DSM-IVによるAADとMDの症状クライテリア、生活ストレス、麻薬使用、他の違法薬物使用、社会逸脱者とのつきあい、未就労、パートナー虐待、パートナー犯罪を調査

【結果】 AADとMDの統合分析相関有意 (P < .001)
条件下固定効果モデルと、時間動態共変数使用による共役因子コントロールにてこの相関の程度は減少、しかし、統計学的有意差は残存。
構造方程式モデリングでは、best-fitting causalモデルはAADがMDのリスク増加につながるという者である
【結論】 AADとMDの相関はcausal modelにより説明可能で、アルコールがMDのリスク増加と関連するというもので、MDがAADのリスクをもたらすというself-medication modelと逆であった。





”fixed-effects modeling to control for confounding and using structural equation models to ascertain the direction of causality”・・・というのが興味深い

このやり方は、例のたばこ訴訟・原告敗因の”病理によってのみ証明”の反証となるだろう・・・
(「“原因”は病理によってのみ確定されるのであり、“疫学”によっては確定されないのである」  2006年 10月 28日

探索的因子分析(EFA) に比べ、検証的因子分析(Confirmatory Factor Analysis:CFA)は解説が少ない。social researchとして主に使われ、personality test、 intelligence test、 surveyなどに使われる。Structural Equation Modeling softwareがこの代表格。LISRELEQSAMOS がpopular。

fixed-effects modeling :

How can there be an intercept in the fixed-effects model estimated by xtreg, fe?


構造方程式モデリング:(SEM):structural equation models:
The Basic Idea Behind Structural Modeling

by internalmedicine | 2009-03-03 09:57 | 精神・認知  

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