敵愾心・敵意の感情が心房細動、心筋梗塞のリスク要因

Bandier(Web)でもhostility(敵意性)と冠動脈疾患の関連があるが、A型性格は否定的?

M Myrtek. Meta-analyses of prospective studies on coronary heart disease, type A personality, and hostility. International Journal of Cardiology 2001 79: 245-251.(International Journal of Cardiology 2001 79: 245-251


心房細動では、男性だけhostility(敵意性)がリスクファクターとなる?
Anger and Hostility Predict the Development of Atrial Fibrillation in Men in the Framingham Offspring Study
Circulation. 2004;109:1267-1271.
【背景】A型性格、symptoms of anger(怒りの兆候)やhostility(敵愾心?敵意?)は冠動脈疾患出現予測と関係するかどうかの知見はまだ議論が多いところ。心房細動進展の予後因子かの前向き研究はまだない。
1984-1987年の3873名の男女、18-77歳のFramingham Offspring Study参加者で、検討し、CHD、心房細動、総死亡の発生を10年モニターした。A型性格、怒り、敵意、CHD、心房細動のリスク要因は補正。年齢、糖尿病、高血圧、心筋梗塞既往、心不全既往、弁膜症は補正。

男性における心房細動10年間推定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
trait-anger(易怒性) (RR=1.1; 95% CI, 1.0 to 1.4; P=0.04),
symptoms of anger(怒りの兆候) (RR=1.2; 95% CI, 1.0 to 1.4; P=0.008)
hostility(敵愾心?敵意?) (RR=1.3; 95% CI, 1.1 to 1.5; P=0.003)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

CHDリスク補正後
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
anger、A型性格、hostilityはどれもCHDの独立した相関はなかった。
しかし、
trait-angerが総死亡率と相関:RR=1.2 1.1-1.4 P<0.01
心理社会的因子は女性では3つのアウトカムで相関無し
──────────────────────────────────

時の人、長嶋茂雄さんは発作性心房細動→脳塞栓だったでしょうか、これを性格に起因するなんてあほなことを言わないでほしいのですが、

世の中には、ググると根拠のないことを言い(書き)放つ先生方が・・

by internalmedicine | 2004-03-17 14:42 | 動脈硬化/循環器  

<< リピトールは対費用効果がすぐれ... 急性冠動脈疾患治療の大変貌 >>