ピーナッツアレルギー減感作療法

日本のアレルギー学会に相当する、AAAAI(American Academy of Allergy, Asthma, and Immunology)(ワシントン)年次会合で、食物アレルギーの新しい知見、immunomodulatorや他の薬剤の報告とともに、QOLに関するインパクト、新しい診断技術などが報告されたとのこと
・花粉・空気吸入の迅速免疫寛容を可能とする舌下immunotherapyの12の報告
・未診断免疫不全べービーのルーチンワクチンの危険性報告
・喘息教育の試み
など・・・参照→http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAAAI/


その中で、AP通信などでとりあげられている話題

1-16歳の子供で、重症のアナフィラキシー既往のない場合、ピーナッツ後の中等症アレルギー反応既往有りで、皮膚プリック試験陽性・ピーナッツ特異的IgE値≧15,000 units/Lの対象者
ピーナッツ1個に相当で、アレルギー反応を生じたもの


まず、ピーナッツ含有食品を避け、重度反応へのエピネフリン注射を近くに置く。

この研究では、初回、ピーナッツ蛋白(粉型) 0.1mgから開始し、 終わりには、50 mgまで増量する
全患者で、このレベルまでには反応がでる。50mg/日で開始し、毎日、ピーナッツ蛋白摂取し、2週毎に25mgずつ増量し、300mg/日(1個のピーナッツに相当)で増量ストップする。この投与量4-11ヶ月で、子供にさらなる大量ピーナッツをチャレンジさせる。

20名完遂児で、19名がピーナッツ蛋白3.9g摂取可能、10名が全く反応無し
1名が、全量摂取後90分で、じんましんと喘鳴出現、エピネフリン緊急投与となった
皮膚プリック試験紅斑サイズは平均約8.5 mm → 5 mmと6ヶ月後縮小
継続治療で、3.5mmまで縮小

二重盲検試験トライアル中とのこと




ピーナッツの減感作療法(http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAAAI/8786)



Nash SD, et al "Immunotherapy for children with peanut allergy" AAAAI Meeting 2008; Abstract 529.


Possible Therapy Takes Bite out of Peanut Allergy
Experiment helps 5 children lose their severe peanut allergies, but don't try it at home
By LAURAN NEERGAARD AP Medical Writer
WASHINGTON March 15, 2009 (AP) (abc news)







イネ科花粉アレルゲン錠による舌下免疫療法剤・GRAZAXの続報なども・・・
Emminger W, et al "The long-term efficacy and safety of a grass allergen tablet for sublingual immunotherapy: Findings from a 3-yr clinical trial" J Allergy Clin Immun 2008; 121:S75.

by internalmedicine | 2009-03-16 11:31 | 呼吸器系  

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