SSRI不応性思春期うつ(TORDIA研究)サブ解析:自殺・自傷予測因子研究

TORDIAトライアルに関しては以前も触れたが、SSRI不応性に対して、SSRI以外の薬剤+認知行動療法が有効性高いというもの

SSRI抵抗性思春期うつ患者の治療Switch法 2008年 02月 27日


自殺・非自殺自傷行為についての予測検討

Predictors of Spontaneous and Systematically Assessed Suicidal Adverse Events in the Treatment of SSRI-Resistant Depression in Adolescents (TORDIA) Study
Brent et al. Am J Psychiatry.2009; 0: appi.ajp.2008.08070976v1-appi.ajp.2008.08070976
【目的】 治療12週までの、治療抵抗、うつ思春期児童の自傷行為イベントの予測を同定目的

【対象】 以前SSRI抗うつ治療にて反応の無かったうつ思春期 にあるもの(N=334)で、SSRIとvenlafaxine、CBTの有無でランダム化
自傷イベント、すなわち、自殺・非自殺自傷行為イベントを181名の被験者の自発報告で評価し、システミックに主語との評価を153名の被検者に行った。
【結果】自殺頻度(20.8% vs. 8.8%) 、非自殺自傷比率 (17.6% vs. 2.2%)は高いが、重篤な副事象 (8.4% vs. 7.3%)は検出できない。
自殺イベントまでの期間中央値は3週間で、ベースに自殺念慮、ファミリー・コンフリクト、薬物・アルコール使用がある。
非自殺自傷までの期間中央値は2週間で、以前の非自殺自傷が予測となる。
治療の主な影響はないが、venlafaxine治療は、高自殺念慮者の自傷イベントの頻度増加と関連
ベンゾジアゼピンの併用、少数(N=10)ながら、自殺・被自殺自傷イベントの高率と関連。
【結論】 自殺イベントの予測は、治療の反応性が悪いこと、そして、治療早期で生じる多くの事象で予測されることもあるので、うつ治療反応速度の改善、ファミリー・コンフリクト、、自殺念慮、薬物使用の改善にてその頻度を減少させることができるかもしれない。
自傷行為へのvenlafaxineとbenzodiazepineの関連については更なる研究と、臨床的注意が必要である。



なんにしても、初回もしくは治療早期に、自殺念慮やファミリー・コンフリクトについての評価をしておく必要があるのだろう

by internalmedicine | 2009-03-17 09:26 | 精神・認知

 

<< AAAAI:食物アレルギー:血... ピーナッツアレルギー減感作療法 >>