ナルコレプシー治療薬・モディオダール錠の作用機序:ドパミントランスポーター・ブロック
2009年 03月 18日
Effects of Modafinil on Dopamine and Dopamine Transporters in the Male Human Brain
Clinical Implications
JAMA. 2009;301(11):1148-1154.
ナルコレプシーや他の睡眠障害治療で用いられるよう承認されている薬剤で、off labelとしては、精神疾患の認知障害で処方されることもあり、非医療的な使われ方としての”cognitive enhancer”としての役割も注目を浴びている。
modafinilの作用メカニズムは理解されてなかったが、methylphenidateやamphetamineのような覚醒剤のようなものとは異なると考えられている。
Volkow らは、経口modafinilを治療用量(200mg、400mg)を10名の健常者に使用し、domapmin受容体とdopamine transporter availabilityをプラセボ比較で、PET使用下で評価
・[11C]raclopride (内在dopamineの変化指標:D2 / D3 radioligand)
・[11C]cocaine (dopamine transporter radioligand)
ベースラインプラセボ比較で、madafinilがdopamine transporterをブロックし、脳内の細胞外dopamine値を増加させることが示された。

添付文書だと・・・
作用機序候補として・・・と、ドパミン系の作用を過少評価していたようだ・・・
(1) ラット、ネコ及びモルモットにおいて、視床下部及びその近傍における神経細胞の活性化、GABAの遊離抑制作用及びヒスタミン遊離作用が認められた。
(2) In vitro試験においてドパミン受容体に親和性を示さず、ドパミントランスポーターに対する親和性(Ki=2.05μM)も弱かった。しかしながら、ラットにおいて側坐核からのドパミン遊離作用が認められており、GABA神経系を介した間接的な作用であることが示唆された。
by internalmedicine | 2009-03-18 10:43 | 精神・認知