LABAの抗炎症効果否定だが、アルブミン漏出予防効果あり:システミック・レビュー、メタアナリシス

長時間作用性β2刺激薬(LABA) は、慢性持続型喘息にadd-on治療として推奨されている。
LABAのin vivoの抗炎症効果については議論が分かれていて、メタ解析にてLABAがin vivoの抗炎症作用を有するかどうか、プラセボと比較して検討し、ICSにLABAを加えることによる抗炎症性効果のsynergy効果があるかどうか?

LABA治療は臨床的に重要な抗炎症、抗炎症前効果を明確には示せていない。ただ、LABA治療がBAL(気管支肺胞洗浄)中のアルブミン値を減少させていることで、微小血管漏出に対して何らかの影響が示唆されている。

32研究(n=1105名)の検討で、メタ解析の炎症性アウトカムの平均治験数・平均研究数は、113.1(46.2)と3.5(1.3)。
成人・小児において、喀痰、BAL、粘膜炎症細胞へのLABA治療の効果はなかった。
LABA治療は呼気NO濃度、BAL中のアルブミン値を成人では減少させた。小児では、LABA治療は喀痰中の好酸球とIL-4のわずかな減少と関連した。

Antiinflammatory Effects of Long-Acting β2-Agonists in Patients With Asthma
A Systematic Review and Metaanalysis
Published online before print March 2009, doi: 10.1378/chest.08-2149

肺胞内へのアルブミンの漏出予防効果はいったいに何を表すのか・・・今後の課題だろう。

by internalmedicine | 2009-03-27 09:18 | 呼吸器系  

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