循環器系外来患者への薬剤副事象・医療過誤の薬剤師の役割

調剤側からいわせれば処方側にもっと苦情があるのかもしれないが・・・

副作用羅列した薬剤情報を一律に渡し、それをもらった患者は、薬物に対する恐れを抱き、adherenceを著しく低下させる経験はなんどもある。テレビ番組何度で薬剤の副作用が取り上げられた後は特にこういう現象が目立つ。・・・特に、チェーン薬局などでは責任の所在もはっきりせず、こちらのクレームも通じない。
むしろ、処方側から口出しされる覚えはないと、電話を一方的にきる輩もいる始末。

厚労省はチーム医療と言いながら、門前薬局を否定し、調剤薬局と医療機関の関係を断絶させた・・・そのあげくが、処方側と調剤側の没交渉推進

本来の薬剤師の機能として、副作用イベントや過誤予防に関する効果があるはずである。チーム医療として互いに問題点を整理していく必要性があるのに、“処方”・“疑義照会”といった一方的な情報提供のみ

心血管系薬剤に関して、外来で薬剤師の役割をあらためて示した報告


Effect of a Pharmacist on Adverse Drug Events and Medication Errors in Outpatients With Cardiovascular Disease
Arch Intern Med. 2009;169(8):757-763.
800名の被験者(平均年齢[SD] 59 [10]歳、484(90.5%)と258(97.4%)が12ヶ月完遂

イベントリスクは対照群に比べ34%低下(リスク比, 0.66; 95% 信頼区間 [CI], 0.50-0.88)
薬剤副事象イベントは35%低下(リスク比, 0.65; 95% CI, 0.47-0.90)
予防可能な薬剤副事象イベントは58%低下(リスク比, 0.52; 95% CI, 0.25-1.09)
潜在的な薬剤副事象イベントは30%低下(リスク比, 0.70; 95% CI, 0.40-1.22)
medication errorsは37%低下 (リスク比, 0.63; 95% CI, 0.40-0.98)

by internalmedicine | 2009-04-28 08:53 | 動脈硬化/循環器  

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