リピトールは対費用効果がすぐれているが・・・それにくらべ後発品の値段に疑問
2004年 03月 18日
スタチンとよばれる高脂血症の薬は、特に、ACS（急性冠症候群）において、リピトールの圧倒的優位性が報告されたわけですが（3月18日分参照）、いろいろ抱える問題があります。
厚生労働省の薬価の決め方は、薬の有効性とその値段が正比例して決めているわけではありません。ただ、後発品といういわば特許切れ製品を他社が製造・販売したときはやすくで利用できるので、これを使えばよいわけですが、新しい薬ほどよい薬がでた場合もあり、必ずしも古い薬ほどよいわけでなく、また逆も多いのです。
この分を最後まで読んでいただければ多少わかっていただけると・・期待しています。
特許がきれても先発品を厚労省が重視するのと、天下り官僚の製薬会社での存在を邪推してしまいます（あくまで邪推・・・と信じますが・・・？）。
わたしはリピトール５ｍｇで効果のある患者を多く経験して、結果的に安いものですから最近は１次予防としてもメインに使ってます。
CURVES studyによれば、リピトール(Atrovastatin）は他のスタチンよりｍｇ比較では強力で、Atrovastatin 10mgに対し、メバロチン（Pravastatin） 40mg、ローコール（Fluvastatin） 40mg、リポバス（Simvasatin） 40mg、lovastatin（もうすぐ発売？） 40mgだそうです。 http://www.medscape.com/viewarticle/407885_3
これをもとに真の対効果比を出すと、リピトールがかなり優れていそうです。
─────────────────────
薬剤名 薬価（円） リピトール１０ｍｇ換算の価格（円）
リピトール錠5mg 87.2 174.4 174.4
リピトール錠10mg 168 168
メバロチン細粒0.5% 91.8 734.4
メバロチン錠5 84.8 678.4
メバロチン細粒1% 170.7 682.8
メバロチン錠10mg 163.5 654
プラバスタチンNa錠5mg「アメル」 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10mg「アメル」 130.8 523.2
プラバスタチンNa錠5「KN」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10「KN」10mg 130.8 523.2
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」10mg 130.8 523.2
リポバス錠10 351.9 1407.6
リポバス錠20 678.5 1357
リポバス錠5mg 182.5 1460
シンバスタチン錠5mg「アメル」 146 1168
シンバスタチン錠5「MEEK」5mg 146 1168
シンバスタチン錠5mg「OHARA」 146 1168
─────────────────
だから、今度の用量設定はもともと不公平だったのでは？と感じてます。
ただ、ACSの場合の当面の標準治療はリピトールでしょうし、対費用効果？だとやはりリピトールにつきてしまいます。
ただ、用量80mgどうしの比較でリポバスの方が、HDL増加させ、metabolic syndromeには良好な影響を与える可能性があり、かつ、肝機能障害が少ない
──────────────────────────────────
Effect on High-Density Lipoprotein Cholesterol of Maximum Dose
Simvastatin and Atorvastatin in Patients With Hypercholesterolemia:
Results of the Comparative HDL Efficacy and Safety Study (CHESS)
Am Heart J. 2003 Nov;146(5):862-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=14597936
──────────────────────────────────
という報告もあり、単純ではないのかもしれませんが・・
それにしても後発品の設定を卸価格の一定値に設定したため、価格設定を製薬会社が高く設定し、結果的に後発品を先発の７割程度と、高めに固定されるという現象を生んでいるようです。厚労省の頭の悪さなのか、先発品を守る作為的なのか・・・ばっかじゃねえのと、いいたくなりますね
ホントは、メバロチンやリピトールの後発品は今の１０分の１程度でやっと売れるという程度だと思います。
私はリピトールを販売している会社はもともとプロモーション活動に問題があるとかんがえております（参考）が、今回のリピトールの対費用効果に関しては優れていると考えております。
厚生労働省の薬価の決め方は、薬の有効性とその値段が正比例して決めているわけではありません。ただ、後発品といういわば特許切れ製品を他社が製造・販売したときはやすくで利用できるので、これを使えばよいわけですが、新しい薬ほどよい薬がでた場合もあり、必ずしも古い薬ほどよいわけでなく、また逆も多いのです。
この分を最後まで読んでいただければ多少わかっていただけると・・期待しています。
特許がきれても先発品を厚労省が重視するのと、天下り官僚の製薬会社での存在を邪推してしまいます（あくまで邪推・・・と信じますが・・・？）。
わたしはリピトール５ｍｇで効果のある患者を多く経験して、結果的に安いものですから最近は１次予防としてもメインに使ってます。
CURVES studyによれば、リピトール(Atrovastatin）は他のスタチンよりｍｇ比較では強力で、Atrovastatin 10mgに対し、メバロチン（Pravastatin） 40mg、ローコール（Fluvastatin） 40mg、リポバス（Simvasatin） 40mg、lovastatin（もうすぐ発売？） 40mgだそうです。 http://www.medscape.com/viewarticle/407885_3
これをもとに真の対効果比を出すと、リピトールがかなり優れていそうです。
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薬剤名 薬価（円） リピトール１０ｍｇ換算の価格（円）
リピトール錠5mg 87.2 174.4 174.4
リピトール錠10mg 168 168
メバロチン細粒0.5% 91.8 734.4
メバロチン錠5 84.8 678.4
メバロチン細粒1% 170.7 682.8
メバロチン錠10mg 163.5 654
プラバスタチンNa錠5mg「アメル」 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10mg「アメル」 130.8 523.2
プラバスタチンNa錠5「KN」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10「KN」10mg 130.8 523.2
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」10mg 130.8 523.2
リポバス錠10 351.9 1407.6
リポバス錠20 678.5 1357
リポバス錠5mg 182.5 1460
シンバスタチン錠5mg「アメル」 146 1168
シンバスタチン錠5「MEEK」5mg 146 1168
シンバスタチン錠5mg「OHARA」 146 1168
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だから、今度の用量設定はもともと不公平だったのでは？と感じてます。
ただ、ACSの場合の当面の標準治療はリピトールでしょうし、対費用効果？だとやはりリピトールにつきてしまいます。
ただ、用量80mgどうしの比較でリポバスの方が、HDL増加させ、metabolic syndromeには良好な影響を与える可能性があり、かつ、肝機能障害が少ない
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Effect on High-Density Lipoprotein Cholesterol of Maximum Dose
Simvastatin and Atorvastatin in Patients With Hypercholesterolemia:
Results of the Comparative HDL Efficacy and Safety Study (CHESS)
Am Heart J. 2003 Nov;146(5):862-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=14597936
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という報告もあり、単純ではないのかもしれませんが・・
それにしても後発品の設定を卸価格の一定値に設定したため、価格設定を製薬会社が高く設定し、結果的に後発品を先発の７割程度と、高めに固定されるという現象を生んでいるようです。厚労省の頭の悪さなのか、先発品を守る作為的なのか・・・ばっかじゃねえのと、いいたくなりますね
ホントは、メバロチンやリピトールの後発品は今の１０分の１程度でやっと売れるという程度だと思います。
私はリピトールを販売している会社はもともとプロモーション活動に問題があるとかんがえております（参考）が、今回のリピトールの対費用効果に関しては優れていると考えております。
by internalmedicine | 2004-03-18 10:40 | 動脈硬化/循環器
