Quackery: 酢
2009年 05月 02日
生化学上のクエン酸回路から想起されたであろう、“運動を続けていると、クエン酸回路の働きが落ちて、疲労してきます。そこで、クエン酸を補給すると、短時間のうちにクエン酸回路が再び活性化”という発想
クエン酸詐欺
・クエン酸で疲労回復
・クエン酸で慢性疲労を絶つ
・クエン酸が拾う指標物質を提言させる
(サプリメントよりの矮小データを過剰評価して、害がないからよいと、特保商売の片棒を担いでいる)国立健康・栄養研究所の国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報
クエン酸の項目名称:クエン酸 [英]Citric acid [学名]-
概要:クエン酸は、レモンやライム、グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれるαヒドロキシ酸の一種で、糖代謝(クエン酸回路)の中間体としてエネルギー代謝において中心的な役割を果たしている。俗に「疲労回復によい」、「筋肉や神経の疲労予防によい」などといわれているが、ヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。安全性については、経口摂取でまれに下痢、吐き気などの胃腸障害、外用剤としての使用で日光や紫外線による過敏症が報告されている。・・・
黒酢が体によいってのをよく目耳にするが・・・
鹿児島県福山で約200年前から製造されていることから「福山酢」とも呼ばれている。JAS規格では米酢に分類される。・・・黒酢は米、麹、水をそれぞれ2:1:6(容積比率)の割合で仕込み、糖化→アルコール発酵→酢酸発酵と順次進行させて熟成させる。俗に「疲労回復によい」、「血圧を下げる」、「血流を改善する」、「脂質代謝を改善する」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分でない。黒酢を食事以外から一度に過剰摂取するときは注意が必要である。・・・(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail850lite.html)
"Lactic Acid Not The Culprit In Muscle Fatigue"・・・といわれて数年たつのにいまだに乳酸詐欺も盛ん
オーストラリア:George Stephenson 、 Graham Lamb
デンマーク:Thomas Pedersen 、 Ole Nielsen
Science. 2004 Aug 20;305(5687):1144-7
単一筋線維の表面膜を用いるテクニックで、電気的刺激を行う検査系を作成
神経刺激で反応する骨格筋線維筋収縮はECカップリングの一連の結果生じる。Tシステムとしてしられる筋肉の微小管のネットワークがあり、筋繊維表面に張り巡らされている。塩素イオンが重要な役割をもち、表面電位を減弱させて、神経シグナルで刺激されたときにのみ反応し、自発的な興奮性を示さなくなる」と述べ、 「使っている筋肉内部の酸産生は塩素イオンの影響を減弱させるよう働く。筋肉膜の興奮性を維持するよう働く。安静筋肉は自発収縮をよく制すべきなので、塩素イオンの効果を必要としているので巧妙な仕組みといえよう。」
「strenuous exerciseは塩素イオンの安定化作用を減弱し、筋収縮性が低下したときも、筋肉の興奮性を維持するimpulseを可能とする。
細胞内の酸化はTシステム興奮性増加させ、ECカップリングのcritical stepにおいて、疲労と相対する作用を示すのである。」
Brooks らの乳酸シャトル
“typeⅡ線維の解糖系代謝により産生された乳酸がエネルギー基質としてtypeⅠ線維のミトコンドリアで酸化的リン酸化により代謝され除去される”
サプリ業者にとって科学的信憑性などはどうでも良いのだ・・・世間に広まっている常識を換金する仕事なのである。特保の厚労省御すみつきという宣伝・・・あのまま放置しておくつもりだろうか?・・・医療界の常識に比べればエビデンスレベルなど無きに等しい根拠で厚労省お墨付きを与えつづけている。
by internalmedicine | 2009-05-02 09:54 | Quack