腰痛症鍼治療の効果:機能障害への改善効果

鍼治療の研究は、研究デザインが問題

鍼を評価する事の難しさ:プラセボ効果を掘り下げたシステミック・レビュー 2009年 01月 30日


今回は、
・未治療群
・individualized acupuncture:個別的鍼治療
・standardized acupuncture:標準化鍼治療
・simulated acupuncture:擬似的鍼治療
と分けた論文

他の研究と同様、疑似的鍼治療は、いわゆるテクニシャンの鍼治療と変わらぬ効果があることになる。鍼といわゆる"sham"、偽鍼:"placebo acupuncture”の、麻酔効果比較で、小さな麻酔効果が見られ、臨床的な明らかさをもたず、バイアスと区別できない。これをプラセボ効果と呼ぶかどうか?

自覚症状だけでなく、機能障害改善効果も示されている。疑似鍼で良いのなら、東洋医学的にその根源を追求すること自体むだなのかもしれない・・・と、言ったら東洋医学の専門家から怒られるか?
(日本の大学にもこの種の東洋医学系の研究やってるところが多いと思うのだが・・・)

A Randomized Trial Comparing Acupuncture, Simulated Acupuncture, and Usual Care for Chronic Low Back Pain
Arch Intern Med. 2009;169(9):858-866.

慢性機械的腰痛の638名の成人をランダム化し、4群(individualized acupuncture, standardized acupuncture, simulated acupuncture, or usual care)に割り付け
七週間熟練鍼師施行
プライマリアウトカムは、腰痛関連機能障害(Roland-Morris Disability Questionnaire score; range, 0-23)と、 symptom bothersomeness (0-10 scale)
アウトカムはベースラインと8,26,52週の評価


8週後、平均機能障害スコアはindividualized, standardized, simulated acupuncture groupsで改善し、それぞれ、4.4, 4.5, and 4.4 points(それぞれ通常ケアに比べて2.1 point改善に比較)

real と simulated acupunctureを受けた人で通常ケアより気脳症がスケールの改善は臨床的意義があった (60% vs 39%; P < .001)

両治療群の1.6から1.9 pointsの自覚症改善は通常ケアの0.7と比較しうる(P < .001)

1年後、治療群参加者は通常治療群より機能障害改善は有意であった(59% to 65% vs 50%, respectively; P = .02)が、自覚症状ではなかった (P > .05)。


他人とかかわることが腰痛にとって良いことなのか?
“むちうち”などは、逆効果になるようだが・・・(早期積極的治療法がむち打ちの回復を遅らせる 2007年 05月 29日

by internalmedicine | 2009-05-12 08:44 | 運動系

 

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