プロ・フットボール・プレイヤーの心血管リスク:体の大きなアスリートの特性

特定のプロスポーツ選手・アスリートはその大きな体により健康上の影響をもたらす可能性があるってことで、TuckerらはCVDリスク要因評価を54名のNational Football League プレイヤーと同年齢住民コホートであるCARDIA研究の被験者を対照に比較

著者らは、CARDIA研究男性と比較して、プロ・フットボール・プレイヤーでは、空腹時血糖が低く、喫煙が少なく、脂質異常症頻度は同等、高血圧頻度が高いことが示された。

Prevalence of Cardiovascular Disease Risk Factors Among National Football League Players
JAMA. 2009;301(20):2111-2119.
NFL プレイヤーは喫煙率がCARIA群より少ない(0.1% [n = 1]; 95% 信頼区間 [CI], 0%-1.4%; vs 30.5% [n = 597]; 95% CI, 28.5%-32.5%; P < .001).
背が高く、体重も重いが、NFLプレイヤーは有意に空腹時血糖異常上頻度が少ない(6.7% [n = 24]; 95% CI, 4.6%-8.7%; vs 15.5% [n = 267]; 95% CI, 13.8%-17.3%; P < .001).

総コレステロール・LDLコレステロール高値、HDL低値、トリグリセリド高値の群間頻度差なし

高血圧や高血圧前症は有意にNFLプレイヤーがCARDIA群より多い (13.8% [n = 67]; 95% CI, 11.0%-16.7%; vs 5.5% [n = 108]; 95% CI, 4.6%-6.6%、64.5% [n = 310]; 95% CI, 58.3%-70.7%; vs 24.2% [n = 473]; 95% CI, 22.3%-26.1%) (both P < .001).

BMI測定による体の大きさは血圧高値、LDLコレステロール、トリグリセリド、空腹時血糖の増加とHDLコレステロール低値と相関



オフェンスにしろ、デフェンスにしろ、体の大きなアスリートであるラインマンは一般人に比べて血糖・コレステロールなど健康的であるはずがないと考えてしまうが、実際は、平均的NFLプレイヤーは、平均的アメリカ人より血糖・脂質特性は良好である。ラインマンは肥満で、メタボリックシンドローム・パターンを示すが、この研究ではその内面特性は示されなかった。高BMIは心血管リスク増加するというパターンにはまらない。
収縮期血圧は人種によってCARDIA群では差があったが、NFL群ではなかった。もっとも驚くべき事の一つは、人種差が血圧に影響を与えないことであったという著者ら。いづれにせよ、高い身体活動が、体がでかいことのデメリットを和らげているのだろう。ただ、血圧に関してはその好影響が及んでない可能性がある。わたしは高血圧生活指導における運動の効用の限界をこれに感じる。アスリートの引退後の生活に対する影響などを考えると肥満・過体重は問題で、ダイエットが重要な問題となる。


相撲レスラーでは、“糖尿病・痛風・高血圧いずれも一般より多いようで、頻度5.2%、6.3%、8.3%。体重は有意に皮下厚、拡張期血圧、総コレステロール、尿酸と関連”で、かなり健康に悪いスポーツのようだ
Some factors related to obesity in the Japanese sumo wrestler
American Journal of Clinical Nutrition, Vol 29, 1167-1174

by internalmedicine | 2009-05-27 09:45 | 動脈硬化/循環器  

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