肺炎球菌血清型と侵襲性肺炎球菌感染症死亡率
2009年 05月 29日
製薬会社も問題で、メーカーの広告にも”肺炎球菌による肺炎などの予防に肺炎球菌ワクチンが開発され、接種できるようになっています”と、IPD主眼のはずのワクチンが肺炎予防の話にすり替わっている。
侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の定義:"invasive pneumococcal disease": " the isolation of Streptococcus pneumoniae from a sample of normally sterile body fluid taken from a surveillance-area resident."
肺炎球菌感染症、世界では最頻の疾患原因であり、死亡原因である。内耳感染や気管支炎などの非侵襲的疾患原因であるが、時に肺に浸潤し肺炎、血液に入り細菌敗血症、脳組織近くで髄膜炎となる。
これらのIPD(侵襲型肺炎球菌疾患)は致死的であり、100万人の子供が世界では無くなっている。先進国では老人、糖尿病・アルコール依存患者で多い。
肺炎球菌ワクチンの誤解、IPDに関してその有効性が証明されているが、肺炎では今ひとつ確定的ではない。“USではすくなくとも、肺炎既往患者、肺炎発症リスクのある場合、65歳以上では一応その摂取対照とされる。しかし、老人、免疫不全群ではその予防効果は比較的短かい。小児では、新生児で反応が悪い。また、ワクチンは、鼻腔咽頭キャリアに対しては非有意な効果しかなく、herd effectをもたらさない。”
18,858名 IPD患者の血清型と死亡率の関係
Pneumococcal Serotypes and Mortality following Invasive Pneumococcal Disease: A Population-Based Cohort Study. PLoS Med 6(5): e1000081. May 26, 2009
5歳以上で、血清型 31、11A、35F、17F、3、16F、19F、15B、10A がserotype 1より死亡率が高い(all: adjusted odds ratio ≥3, p<0.001)
5歳未満において、成人と異なる死亡率だが、包括的小児関連死亡率が低いため統計学的推計は不能
死亡率の高い血清型とワクチンが呼応していない7価肺炎球菌コンジュゲートワクチン血清型: 4,6B,9V,14,18C,19F,23F
13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン血清型: 1,3,4,5,6A,6B,7F,9V,14,18C,19A,19F,23F
PRSPは6,9,14,19,23
WHO 肺炎球菌ワクチン
by internalmedicine | 2009-05-29 15:45 | 感染症