妊娠初期プリンペラン使用の安全性

妊娠女性の50-80%が吐気・嘔吐を第一トリメスターのうちに経験する。
重症の場合もあるが、医療機関で、催奇形性の危険性を考慮し薬物治療を忌避することが多い。
胎児への影響に関して、薬剤の影響の情報が十分でなく、”その治療の有益性が胎児へのリスクを上回るかどうか”確認するのに不十分である。
US、カナダでは、妊娠中の吐気嘔吐に対しての選択は、pyridoxine 、doxylamineである。重症例でmetoclopramideがなされている。しかし、妊娠中使用は適用外となっているらしい。ヨーロッパやイスラエルでは第一選択として使われている。

日本の場合は、相変わらずのワンパターン
妊婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2. 授乳婦
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[母乳中に移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
の製薬会社の責任逃れ・・・何も情報のない添付文書



The Safety of Metoclopramide Use in the First Trimester of Pregnancy
N. Engl. J Med. Vol. 360:(24) 2528-2535 Jun. 11, 2009

metoclopramideを第一トリメスターで使用し安全性を検討
1998年1月1日から3月31日までのコンピュータ化データベースで対象を見いだし
妊娠中のmetoclopramide使用と胎児への副事象を他の要素で補正

第一トリメスターのうち、metoclopramide暴露:3458(4.2%)
薬剤暴露無しに比べ、有意なリスク増加無し
重大先天奇形:5.3%   4.9%, respectively;オッズ比, 1.04; 95% 信頼区間 [CI], 0.89 ~ 1.21)
低体重:8.5%   8.3%; odds ratio, 1.01; 95% CI, 0.89 ~ 1.14)
早期出産 :6.3%   5.9%; odds ratio, 1.15; 95% CI, 0.99 ~ 1.34)
周産期死亡: (1.5%  2.2%; odds ratio, 0.87; 95% CI, 0.55 ~ 1.38)


治療的中絶に関しては実質的に影響なし




妊娠中降圧剤と心血管奇形 :薬剤特異性無く、根本は原疾患としての高血圧が原因 2009-05-19

妊娠中バルプロ酸:子供の3歳時IQ低下 2009-04-16

NEJM喘息薬物治療レビュー:外国ではLT拮抗剤の再発見? 2009-03-05

妊娠糖尿病に対する薬物治療第一選択はメトフォルミン? 2008-05-08


FDA Use-in-Pregnancy Ratings:http://www.americanpregnancy.org/pregnancyhealth/fdadrugratings.html

by internalmedicine | 2009-06-11 10:56 | 医療一般  

<< 厚労省の愚?:化学物質過敏症保... Zikaウイルスのラップ島での... >>