降圧治療: HCTZ ≠ chlorthalidone・indapamide ・・・ HCTZを第一選択にするな!
2009年 06月 16日
降圧利尿剤で一まとめすることで、エビデンスの少ないHCTZが入り込んできたという警告?
ハイグロトンを使ってたが問屋から入手困難といいうことで、HCTZはいやだったので、ナトリックス錠に変更しているところである。ちまたに、循環器・高血圧の専門家は多いはずなのに、なぜ、これらの薬剤の処方が少ないのか?・・・非常に疑問に思うところである。
"European Meeting on Hypertension 2009"で、12.5-25mg/dは降圧剤として他の薬剤より劣ると報告。心発作や卒中でも、エビデンスが存在せず・・・というpooled analysisを、Dr Franz Messerli (St Luke's-Roosevelt Hospital, New York, NY)が報告(http://www.theheart.org/article/978957.do)
Messerli FH, Makani H, Bangalore S, et al. Hydrochlorothiazide is inappropriate for first-line antihypertensive therapy. European Meeting on Hypertension; June 12-16, 2009; Milan, Italy. Abstract LB1.3.
24ABPMに関連して、HCTZは医療機関での血圧値にはさほど悪くないが、夜間や早朝での降圧有効性が欠如しており、患者や医師の安全性に不安を与えるものである。
「簡潔に述べると、HCTZは降圧剤の有効性の根拠は乏しく、アウトカムデータもない。初期治療として用いるべきではない。cholorthalidone(クロルタリドン(ハイグロトン)には確固たるデータがある。残念ながら、HCTZとの併用剤が多く発売されている」と述べ、今年出版される予定のJNC8で、thiazide系利尿剤が第一選択となり、HCTZと他のサイアザイド系利尿剤が同等に扱われるのを恐れるとのこと。
HCTZは単剤では弱いが、併用ではどうなのか?
多くの医師たちもHCTZ単独で12.5-25mg使用での降圧効果に関して疑問を呈すと、Dr Stephane Laurent (Hôpital Europeén Georges Pompidou, Paris, France)
HCTZ単独を第一選択単剤治療として用いるほどに、強いエビデンスはないということ、さらに問題なのは、併用剤としてのHCTZ選択にも疑問が呈され、実際利尿剤の効果は用量依存的であり、高用量になれば副作用も出てくるだろうと・・・indapamideインダパミド (ナトリックス錠1mg/2mg(大日本住友製薬)、テナキシル錠(アルフレッサ)やchlorthalidoneのベネフィット故の知見とHCTZをはき違えてはいけない!・・・というもの
by internalmedicine | 2009-06-16 15:27 | 動脈硬化/循環器