紅麹米をスタチン不耐性症例に?

ベニコウジカビ(紅麹黴、学名:Monascus purpureus)

Red yeast rice (Monascus purpureus) :http://www.mayoclinic.com/health/red-yeast-rice/NS_patient-redyeast
紅コウジカビは、米におけるイーストの生産物で、アジア諸国で食物として饗される。いくつかの成分、monacolins(コレステロール合成阻害物質)を含み、その一つがmonacolin Kで、HMG-CoA阻害作用を有する。この抽出物をOTCでCholestin TM (Pharmanex, Inc)という商品名だどで販売されているとのこと。これが、合法的かどうかやや混乱があるとのこと。

紅麹(レッドイーストライス)を通販価格で見ると、月一人分5000-6000円で手に入れられるようだ。問題は、その品質保証。

”Annals of Internal Medicine”掲載論文で、このサプリメントをスタチン耐用性のない患者への治療オプションになりえると発表

Red Yeast Rice for Dyslipidemia in Statin-Intolerant Patients: A Randomized Trial
Becker et al. Ann Intern Med.2009; 150: 830-839

red yeast rice(1800 mg 1日二回24週間)にて、ベースラインから、12週で1.11 mmol/L (43 mg/dL)、24週で0.90 mmol/L (35 mg/dL) と減少。
プラセボ群は、12週で0.28 mmol/L (11 mg/dL) 、24週で0.39 mmol/L (15 mg/dL) 減少
LDLは有意に12週、24週とも減少( (P < 0.001、P = 0.011)

HDL、TG、肝酵素、CPK、体重減少、疼痛重症度スコアは変化無し


Ann. Int. Med.記載なのにちょっと・・・慎重さに欠けるのでは?
・検討例数が少ないため、有効性もだが、無害性の根拠に疑問
・Citrininの有害性の問題が解決されてない(Contamination Is A Common Problem in Red Yeast Rice Products)

by internalmedicine | 2009-06-16 16:59 | 動脈硬化/循環器  

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