バーチャル内視鏡の診断正確性
2009年 06月 17日
いわゆる "virtual colonoscopy" ・・・トロント・イタリアなどの多施設
病歴・家族歴ベースで同日直腸結腸ガン検診目的でCT colonographyと内視鏡(colonoscopy)を施行した物で、CT colonographyは包括的なNPV 96.3%であった。
便潜血陽性者に限定した解析では、NPV84.9%
筆者らはその結果を冷静に記載している。日本のマスコミや一部医師たちが、”夢の検査”などとさわがないことを願う
Diagnostic Accuracy of Computed Tomographic Colonography for the Detection of Advanced Neoplasia in Individuals at Increased Risk of Colorectal Cancer
JAMA. 2009;301(23):2453-2461.
包括的にみれば、CT colonographyは6mm以上のadvanced neoplasiaに関して151/177(感度85.3%、95%信頼区間[CI], 79.0%-90.0%)
病変無しは667/760(特異度, 87.8%; 95% CI, 85.2%-90.0%)
陽性、陰性的中率はそれぞれ61.9% (95% CI, 55.4%-68.0%) と96.3% (95% CI, 94.6%-97.5%)
群層別化後、有意な陰性適中率の低下がFOBT陽性群で見られる(84.9%; 95% CI, 76.2%-91.3%; P < .001)
CT colonographyはサイズのみでしか分類できないという限界のため、大きな過形成ポリープや希な低リスク腺腫などが偽陽性を生み出す。この研究では、陰性的中率、便潜血陽性群 84.9% (95% CI 76.2% ~ 91.3%, P<0.001)に低下した。この研究対照群ではadvanced neoplasiaの頻度が高かったこともあるが、もしCT colonographyを、第一段階の検診手段として使うなら、コスト効果としては適してない。
研究者たちは研究施設でのプロトコールや放射線医師の経験のばらつきによるこの研究の限界に言及され、もしこの方法が標準的reference standardとして用いられるとするなら、結果見逃しが存在する。臨床的意義ある病変の検討については長期フォローアップが必要
この論文
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Warren JL, et al "Adverse events after outpatient colonoscopy in the Medicare population" Ann Intern Med 2009; 150: 849-57.
をみれば、その高齢者にどうかという考えも浮かぶ!
by internalmedicine | 2009-06-17 09:07 | 消化器