前兆片頭痛女性とMRI小脳梗塞病変の関係

片頭痛発作がMRIスキャンにおける小脳の病理的変化と相関する可能性があり、アイスランドのReykjark居住の population-baseの研究でScherらは、中年での毎月の片頭痛症状報告例でMRI上の梗塞様病変("infarcts")のリスクが増加するか平均25年にわたり検討


中年時月1回以上頭痛を有しなかった人と比較して、auraを有すると報告頭痛女性ではMRI上の脳梗塞所見の頻度が増加していた。

Migraine Headache in Middle Age and Late-Life Brain Infarcts
JAMA. 2009;301(24):2563-2570.



Later-Life Brain Lesions Found in Migraine-Prone Women(Medpage)に解説

前兆を有する片頭痛報告女性では、同様の頭痛を有しない女性に比べ、後年、1.9倍(95% CI 1.4 ~ 2.6、梗塞様小脳病変を有する。

女性中年前兆片頭痛では後年小脳血管疾患と関連する。
頭痛発症前に神経学的前兆症状を経験した片頭痛の約1/3が一過性の視力異常や他の感覚、aphasic、運動障害を示すと著者ら
最近の研究では前兆を有する片頭痛は臨床的な卒中や冠動脈疾患のリスク増加と相関するとScherらはのべ、片頭痛と血管病変の関連について焦点をむけた。
片頭痛と後年梗塞(組織学的死亡)の関連を4689名のアイスランドのReyjavikの男女で調べ、被験者は1967年片頭痛症状についてインタビュー開始し平均年齢は51歳であった。フォローアップインタービューを26年超行い、2002年から2006年行い、頭部MRIスキャンを行った。
梗塞様病変は男性39.3%、女性24.6%に見られ、年齢、性、フォローアップ時間補正し、月1回以上の頭痛報告してない対照(n=3243)と比較して、前兆有り中年片頭痛(n-361)で後年の梗塞様病変リスク増加あり (補正化 OR 1.4, 95% CI 1.1 ~ 1.8)。特異的な差異は女性の小脳病変と相関反映。
前兆有り片頭痛女性の内、23%が脳病変の所見あり、頭痛無しの例では14.5%(OR 1.9, 95% CI, 1.4 ~ 2.6)

リスク増加は中年・後年の心血管リスク要素と独立しており、男性においては病変における片頭痛関連相違を認めなかった。
著者らは、片頭痛と脳病変の関連の説明として、伝統的心血管リスク要因を含め、血管内機能障害を提案しているが、片頭痛関連病変が小脳や女性に特に存在するかの説明にはならない。
全長を伴う片頭痛は臨床的あるいは無症候(presumed)虚血性卒中と関連するか?
片頭痛の人は小脳への脆弱性が示唆されている報告があり、無症候性脳梗塞の尤度が小脳で高いことが以前の研究からも示されている。
この研究二次解析で前兆を伴う片頭痛と特定のサブグループでの皮質梗塞の関連が示唆された。
著者らは、梗塞様病変の臨床的重要性を評価して織らず、関連する兆候を有するかどうか検討されていないと強調している。梗塞様病変の臨床的関与は未だ確立しておらず、今後の検討が必要としている。

エディトリアルでは、 Tobias KurthやChristophe Tzourioが、片頭痛と病変の関連についての結論に対して警告を与えている。梗塞様病変(infarct-like lesion)の原因・性状がなく、臨床症状やその後の症状がない場合がある以上、片頭痛が脳に悪影響があると結論づけるのは時期尚早と疑問をなげかける意見がある。

一方、Scherらの発見に対して、構造的脳の変化や機能的変化を伴う片頭痛を調査する新しい研究はその関連の理解を深めるのに役立ち、今後片頭痛に関する特異的メカニズムが判明する可能性に期待がかかっている。


以前より検討されていたことのようだ・・・(私も聞いたことがある上述の報告)
最近、片頭痛が将来脳梗塞の危険因子であるか否か、すなわち「片頭痛は脳梗塞の危険因子か?」について大きな議論を呼んでいる。30~60歳の片頭痛患者を対象とした頭部MRIを用いた無症候性を含む脳病変(梗塞)の横断的有病率調査が行われて、全脳病変の有病率は片頭痛群と対照群に差はなかったが、脳後部循環領域では片頭痛群が対照群に比し有意に有病率が高く、特に前兆の片頭痛群で高かったと報告されている。さらにこの所見は特に小脳、しかも各灌流動脈の分水嶺領域に顕著であることまた脳幹、特に橋に目立つことも報告されている。 さらに片頭痛患者の脳梗塞の発症危険度を多数の調査に対する系統的レビューとそのメタアナリシスが行われている。この分析では脳梗塞発症の相対危険度は片頭痛全体で2.16、前兆のある片頭痛で2.27、前兆のない片頭痛で1.83、さらに片頭痛で経口避妊薬使用者は8.72と報告されている。 
さらに片頭痛患者における心血管イベントの危険因子に関する調査では、片頭痛群特に前兆のある片頭痛群では、高コレステロール、高血圧、冠動脈疾患および脳血管障害の早期発症率が有意に高く、心血管イベントの発生危険度が片頭痛を有さない対照群よりも高いことが明らかになっている。

http://neurol.med.tottori-u.ac.jp/JHS34/luncheon.pdf
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卵円孔開存(PFO)との関連にも言及している。

by internalmedicine | 2009-06-24 10:14 | 運動系  

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