アルコール性肝炎:特に治療戦略

心理療法にエビデンスがないというのはショッキングだった。重症アルコール性肝炎は、スコアにより、その治療戦略が明確化されている。・・・この周知が必要となろう。

そして、以下の記事の中核薬剤の一つである、トレンタール(pentoxifylline)は有効性が確認できないということで、回収・販売終了してしまった薬剤・・・日本で再販売されるにはまた時間がかかることだろう。


Alcoholic Hepatitis
N Engl J Med. Vol. 360:(26) 2758-2769 Jun. 25, 2009
アルコール性肝炎の診断は、重度アルコール飲用、黄疸、他の原因除外にて診断される。肝生検は価値ある診断手段だが、予後や以前の飲酒・断酒のタイムラインを確定するのには役立たない。断酒は回復のコーナーストーンであり、栄養不良の患者はカロリーと蛋白サポートをしなければならない。
重症のアルコール性肝炎患者(Maddrey's discriminant function, ≥32; or MELD score, ≥21) で敗血症のない患者は、40mg/日28日間プレドニゾロントライアルを投与すべき
プレドニゾロン治療七日後、Lilleスコア0.45超の患者はcorticosteroid治療継続に反応しないはずで、pentoxifylline治療に早期にスイッチする。
医師がステロイド治療に積極的でない場合などの臨床状況において使用されるpentoxifyllineは肝腎症候群予防のために有用である。
pentoxifyllineとコルチコステロイド併用の有効性は研究がなされてなく、RCTが必要な状況である。
短期生存率が90%のような重症でないアルコール性肝炎患者では、コルチコステロイド治療すべきでない。全身性感染合併症のリスクがベネフィットを上回るためである。
結果的には、薬品治療で反応しない場合は、注意深く対象を厳選して肝移植の良質な研究が必要となるだろう。


Maddrey’s Discriminant Function for Alcoholic Hepatitis
http://www.mdcalc.com/maddreys-discriminant-function-for-alcoholic-hepatitis

MELD Score and 90-Day Mortality Rate for Alcoholic Hepatitis
http://www.mayoclinic.org/meld/mayomodel7.html


Lille score:
http://www.lillemodel.com/score.asp



治療のエビデンスのまとめ
心理療法:No clear evidence of benefit in patients with alcoholic liver disease;has not been studies in patients with alcoholic hepatitis

コルチコステロイド:40mg of prednisolone orally, onece a day for up to 28days
Reduced short-term mortality in selected patients with severe alcoholic hepatitis

Pentoxifylline: 400 mg orally, three times daily
Improves in-hospital survival in patients with severe alcoholic hepatitis, fever instances of the hepatorenal syndrome in group receiving pentoxifylline

Infliximab, Etanercept;感染・死亡リスク増加

栄養支持:35-40 kcal/kgBW/日(蛋白1.2-1.5g/kg/日を含む)
Improves nutritional status but does not improve short-term survival in patients with severe alcoholic hepatitis

Oxandrolone、Vitamin E、Silymarin(milk thistle extract):重症アルコール性肝炎の生存率改善せず

by internalmedicine | 2009-06-25 10:03 | 消化器  

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