結核菌北京遺伝子型の再発リスク


アジア太平洋諸国の結核北京種再発リスク
Relapse Associated with Active Disease Caused by Beijing Strain of Mycobacterium tuberculosis
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Volume 15, Number 7–July 2009

結核治療アウトカムの細菌要素は研究が十分とは言えない。症例対照研究にて、北京種と結核治療アウトカムに関して評価。
培養陽性治療不全 (n = 8)と再発 (n = 54)の患者をランダム選択対象からの対照 (n = 296)分離菌と比較
北京種患者はリラぷすりすくが高い (odds ratio [OR] 2.0, 95% confidence interval [CI] 1.0–4.0, p = 0.04)が、治療不全例が多いとは言えない。

再発関連要素補正後、北京種と再発に軽度影響のこる
北京種は、Asian–Pacific Islandersの再発と強く関連し (OR 11, 95% CI 1.1–108, p = 0.04)、 (OR 11, 95% CI 1.1–108, p = 0.04)の再発リスクと特に関連する




薬剤耐性獲得や一部の酵素の活性による点突然変異を除き、遺伝子型が同一で有れば表現系も類似すると考えられています。地域の有力株としてEndemicな結核菌株の遺伝子型も流行を維持するリスク因子の一つとして興味が持たれています。その一つが北京遺伝子型で、感染伝播が強く、結核病態も重症であることが判ってきています。また、他の遺伝子型を解析する方法としてIS6110 ,dnaA-dnaN部位のIS6110挿入の有無、あるいはSpoligotypingがあります。種々遺伝子型は世界的な結核菌株の遺伝子型の比較研究プロジェクトであるGlobal characterization)の中で注目されています。その内の遺伝子型のひとつが北京ファミリー(北京遺伝子型)と呼ばれるものである。北京遺伝子型の結核菌は抗結核薬の静菌作用に対して有意な高頻度の抵抗性であることが示されている。この遺伝子型は1990年代初頭の北アメリカにおけるおおくの多剤耐性結核の院内・施設内感染を引き起こしたW株とよく一致しています。このW株は 北京ファミリーの進化的な分枝といえるものであり、北京遺伝子型と比較するとIS6110のパターンは類似点を持ちIS6110をA1(3.36Kbp)とB2(1.14Kbp)領域内に保有しています。さらに、Spoligotypingパターンは特徴のあるスペーサー配列35-43のみを保有するパターンを示すことが知られています。
http://www.jata.or.jp/rit/rj/kenkyu%20lower.htm

by internalmedicine | 2009-06-30 14:55 | 感染症  

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