“メタボリックシンドローム撲滅委員会” ・・・ その本体は?
2009年 07月 01日
フジサンケイグループの悪辣な陰謀にもとづくものであることが理由の一つ。もうひとつの理由は、十分な科学的確証がない、身勝手な腹囲基準のごり押しによる”虚像”病名の捏造への対策のためである。
小児肥満の疫学的、臨床的重要性は十分認識しているつもりである。小児閉塞型睡眠時無呼吸症候群事例の中に肥満があり、昼間の眠気や集中力低下などがあり、学業や日々の生活に支障のあった事例に対し、体重減少させ、結果、無呼吸指数も改善し、随分毎日の生活の質も充実し、社会人として活躍しているケースなど経験もした。
しかし、腹囲測定値中心の”メタボリックシンドローム”という概念にはたして意味があるのか?BMIなどを上回るほどの+αな指標なのか、そして、それに対する独特の介入方法があるのか?”メタボ”ばかり問題にされ、やせすぎの問題が軽視され、骨塩や骨量の脆弱性を惹起されることにはならないか?・・・など数々の疑問をもつ。
故に、私は、”小児メタボリックシンドローム”というとってつけた疾患概念を眉につばをつけながら・・・見ているのである。
・小児メタボリックシンドローム 2007-06-22
・ 小児のメタボリックシンドロームは決して増えないという矛盾 2006-12-15
一回の開業医が何を言っても相手にしてくれないのだが・・・メタボ検診が本格的に施行されている現時点で、やりながら矛盾を感じている医療関係者も多いと思う。
メタボリックシンドローム撲滅委員会というところが、産経新聞に全面広告を出している?・・・あるいは逆に、産経新聞が、自社の金儲けのために企画広告を行っていると、言った方が良いのかもしれない。
本日の新聞
“メタボリックシンドローム撲滅委員会ホームページ”
・一般向け
http://metabolic-syndrome.net
・医療/保健関係者向け
http://metabolic.pro.net
ここの提唱では
腹囲の増加(腹囲cm÷身長cmが0.5以上)という指標+腹囲の絶対量(中学80cm、小学75cm以上)という基準がその要の指標と主張している。
たとえば、GOOD研究(Diabetes April 2009 vol. 58 no. 4 867-874 )では、”若年者の内臓脂肪量はBMIと相関し、皮下脂肪量は若年・小児期にBMIと相関する”という報告があり、あえて、とってつけた、腹囲基準など不要なのである。
この”委員会”の本体は、フジサンケイグループと、関連各学会の後援と、“(あの開業医いじめの)アステラス製薬株式会社他、(あの毎日新聞のお友達の)大塚製薬株式会社、(あの体脂肪計というあやふやな計測機器を販売し続けている)オムロン ヘルスケア株式会社、(あの”人間ドック学会と表裏一体の)花王株式会社、(あの脂質異常症治療薬販売の)キッセイ薬品工業株式会社、サンスター株式会社、(あの脂質異常症治療薬販売の)第一三共株式会社、(あのDPP‐4阻害剤の発売が近い)大正製薬株式会社、(あのDPP‐4阻害剤の発売が近い)日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、(あのIGL like作用のある牛乳が体に良いと一方的に主張する)(社)日本酪農乳業協会、(あのゼチーアを販売している)バイエル薬品株式会社、(あのサプリメント販売をしている)明治乳業株式会社”などが関係している。
http://metabolic-syndrome.net/committee/
要するに、メタボリックシンドローム利益誘導業者の団体なのである。
岩崎氏を初めとするフジサンケイグループは、リーダー格の毎日新聞、それに、めざましい活躍の日経、従来からの読売・朝日とともに”官僚主導型医療崩壊促進委員会”と名前を変えた方が良いと思うのだが・・・
こいつらのせいで、学校で、”メタボ野郎”などといじめが生じるかも・・・
“メタボ”に群がる、研究費・利益ねらいの研究者たち、医薬品業者、サプリメント業者、それをあおって利益にしようとするメディア、それを背後であやつる官僚利権・・・の縮図を、“撲滅委員会”に感じる。
by internalmedicine | 2009-07-01 08:22 | 動脈硬化/循環器