根拠のないC型肝炎一斉検査
2004年 03月 19日
Preventive Services Task Force の冷静な分析では、現在のところ無症状の人にわざわざC型肝炎ウィルスの検査をする意義が見いだせないそうです。
それと、ビックリするのは、"There are no published trials of screening for HCV infection. "というのにまず驚きます。
現在、節目検診としてHCVキャリアまで盛んに探し求めているのですが、あれはいったいなんのための検診なんでしょうか?日本からいっさい報告されてないのですね。
肝臓の専門家たちは何をしているのでしょう。
ちょっと調べてみましたが、地域的な濃厚感染地域の研究はあるようですが、コスト的な検討はされておりません。
慢性肝炎診療のためのガイドラインをみてもよくわかりませんが、
“キャリアに関する管理上の無症候性キャリア(ASC)自体が少なく、初診時でも画像および血液検査(血小板、ヒアルロン酸、ICG15分停滞率など)によって肝病変の進展度を十分に評価必要、今では少なくとも1~2ヶ月ごとにALT測定し、正常値が持続している限り、肝病変の進展は見いだせないのでフォローを見極めがつくまで行うこと”となっております。一度みつけたキャリアにも相当額のお金がかかります。
こうやって根拠不明な医療に金銭が・・・
BSEの一斉検査が果たして良いのかどうかわかりませんが、疑わしきはゼロを目指せは日本の考え方なのでしょうが、膨大な費用がかかり結局国民の負担となってしまいます。リスクゼロはありえないのですが・・・
日本の検診というのは根拠なくはじめ、そして実行した行政処置にたいして何の効果判定もしない、そしてお役人のおえらいさんはなんの責任も問われないまま別部署へ栄転・・・
ALT異常値だけ集めて検診すりゃいいことだとおもうのですが、キャリアを集めても意味があるのでしょうか?HCV抗体は検査センターに出すだけで1600円します。40歳~70歳までが対象で、1000億円以上の出費のようですが・・・
マスコミのはやしたてる“C型肝炎被害訴訟”対策なのでしょうか?
セロタイプIbのすくないUSの方がより検診の有効性がある可能性があります。にもかかわらず、はっきりとした効果がでていない。自分たちの失敗を税金垂れ流しでカバーしているとしかおもえません。
無駄な橋や道路を造るのと変わらないのですが、こちらの方は無問題にしているようですが、マスゴミさんたちは・・
by internalmedicine | 2004-03-19 17:52 | 消化器