”降圧目標 140/90未満に利益性はない”
2009年 07月 10日
降圧目標 140/90未満に利益性はない
最近5年、より降圧目標を低くする推奨がなされ、140/90未満にもっていくことで心発作、卒中を減らすことができるということが信じられてきたが、必ずしも明確なものではなかった。
Arguedasは対照22000名で、拡張期血圧低下例にて、追加ベネフィットを認めず、さらなる降圧目標低下の有効性に疑問が生じた。
Franz Messerli (St Luke Roosevelt Hospital, New York, NY)はレビューに関係してないが、“140/90 mmHgという人工的であり、降圧治療のベネフィットはやはりかなり高い血圧の人たちで明白であり、”normotension”に近いほど、降圧治療のベネフィットを示すのは難しくなるだろうと話している(http://www.theheart.org/article/985113.do)
Arguedas JA, Perez MI, Wright JM. Treatment blood pressure targets for hypertension. Cochrane Database Syst Rev 2009; 3:CD004349.
Cushman WC, Grimm RH Jr, Cutler JA, et al. Rationale and design for the blood pressure intervention of the Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes (ACCORD) trial. Am J Cardiol 2007; 99(12A):44i-55i.
”標準目標”より“さらに低い降圧目標”で、-4/-3 mmHg降圧達成したが、死亡率は変化無く (RR 0.92, 95% CI 0.86-1.15)、心筋梗塞(RR 0.90, 95% CI 0.74-1.09)、卒中 (RR 0.99, 95% CI 0.79-1.25)、うっ血性心不全 (RR 0.88, 95% CI 0.59-1.32)、大血管イベント(RR 0.94, 95% CI 0.83-1.07)、終末期腎障害 (RR 1.01, 95% CI 0.81-1.27)も変化無し
今思えば、”高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009) 第6章 脳梗塞・慢性期・(1)降圧目標値について”(参考:http://intmed.exblog.jp/7965668/)は空気をよんで”ちぐはぐ”な記載をしたのか?
by internalmedicine | 2009-07-10 08:49 | 動脈硬化/循環器