ワルファリン至適強度前向き大規模研究

ワルファリン・・・脳内出血発生すれば薬が効き過ぎだ、血栓塞栓が発生すれば薬が効かなかったと・・・どうすりゃいいのさ・・・と

ワルファリン至適PT-INRの内外差の根拠は、相変わらず不明だが・・・日本の設定量はあきらかに低い。

PT-INR至適強度を求めるための、4202名、7788人年の大規模検討で.総untowa-d event最小化検討が報告された。

A Prospective Study of 4202 Patients
Arch Intern Med. 2009;169(13):1203-1209.

3326の入院報告、306でイベント発生で、年約4%
人工弁 4.3(95%信頼区間[CI], 3.1-5.6)、心房細動 4.3(95% CI, 3.7-5.1)、心筋梗塞後の患者では3.6(95% CI,3.0-4.4)/年である。

人口弁置換後の抗凝固療法の至適強度は、INR 2.5-2.9、心房細動患者では 3.0-3.4、心筋梗塞後は3.5-3.9



日本のガイドラインは、「今回のガイドラインには,本邦でのデータが少なく,海外でのエビデンスが中心となった」といいながら海外の基準と乖離ができているようである。弁置換の部分は覚えきれないくらい複雑だったり、他の分野は目標PT-INRを明示してなかったり支離滅裂。
 ↓
循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン
Guidelines for management of anticoagulant and antiplatelet therapy in cardiovascular disease (JCS 2004)(pdf)




循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2006-2007年)では、心房細動における抗凝固療法として
・僧帽弁狭窄もしくは機械弁 :INR 2.0~3.0
・非弁膜症性心房細動 (適用時は、INR 2.0~3.0、70歳以上 INR 1.6~2.6)
  ・TIAや脳梗塞の既往:70歳未満 
  ・年齢≧75歳、高血圧、心不全、%FS<25%、糖尿病:リスク≧2個推奨、リスク1個で考慮可
  ・心筋症、65≦年齢≦74、女性、冠動脈疾患もしくは甲状腺中毒で考慮可




歯科からは、ワルファリン中止を要望してくることが多いのだが・・・
Class IIa 抜歯はワルファリンを原疾患に対する至適治療域にコントロールした上で、ワルファリン内服継続下での施行が望ましい。体表の小手術で出血性合併症が起こった場合の対処が困難な場合、ペースメーカーの植え込み、及び内視鏡による生検や切除術等への対処は大手術に準じる。

by internalmedicine | 2009-07-14 09:39 | 動脈硬化/循環器  

<< 認知症に関わる薬剤クラス内差:... 介護認定恣意的過小評価 >>