変形性膝関節症:過体重・肥満と軟骨容積の関係

Journal Radiology 8月号掲載予定とのこと


Boston University School of Medicine.の放射線科 Frank W. Roemerらの報告で、30ヶ月フォローアップにて20.2%が膝軟骨緩徐な喪失と、4.8%の急激な喪失が認められたという報告で、主な軟骨喪失のリスク要因は、事前に存在する軟骨損傷、過体重・肥満、軟骨関節の破壊・軟骨損傷(半月板)、MRI出見られる重度の障害である。他の要因は関節に沿う膜炎症と関節の異常液産生であるとの報告。

体重増加は急激な軟骨喪失と相関し、BMI1単位毎に11%の軟骨喪失の増加が見られる。
肥満と急激な軟骨喪失の関連は年齢、性別、民族後補正後も存在する。

体重減少が疾患進行を遅らせる最も重要な要素の可能性大。

変形性関節症は最も多い筋骨格系疾患で健康・社会経済的インパクトがこの加齢社会では大きい。

ソース:http://news.yahoo.com/s/hsn/20090715/hl_hsn/excessweightspeedsuposteoarthritis



体重と、変形性膝関節症に関しては、知識としてはよく知られている(American Journal of Epidemiology Vol. 128, No. 1: 179-189 ,1988)


事前にも同様な、肥満・過体重の膝関節軟骨減少への悪化要因に関する報告があった。
 ↓
Obesity and adiposity are associated with the rate of patella cartilage volume loss over 2 years in adults without knee osteoarthritis
Annals of the Rheumatic Diseases 2009;68:909-913
膝蓋骨軟骨は年1.8%(95%CI, 1.4%-2.1%)の減少速度、ベースラインBMI、体重、脂肪総量、脂肪比率増加毎に共役因子補正後も何カツ減少速度増加 (all p<=0.04)。両性とも同様だが、男性の方が幾分か少ない影響の傾向。

体重減少を主眼に置いた指導が、膝関節症に対しても行われるべきであろう。

by internalmedicine | 2009-07-15 14:36 | 運動系  

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