卵円孔開存の塞栓原因は右左シャントではなく、心房細動のような機序が問題という・・・仮説提言
2009年 07月 23日
卵円孔開存 patent foramen ovale (PFO)患者における卒中原因として、右左塞栓ではない心房細動みたいな仮説が提唱された
Rigatelli G, Aggio S, Cardaioli P, et al. Left atrial dysfunction in patients with patent foramen ovale and atrial septal aneurysm. An alternative concurrent mechanism for arterial embolism? J Am Coll Cardiol: Cardiovasc Intervent 2009; 2:655-662.
Block PC. Is the hole only a part of the whole? J Am Coll Cardiol: Cardiovasc Intervent 2009; 2:663-664.
中等度から大型の心房中隔瘤を有するPFO患者は時に心房細動類似となり、左房での心房血栓形成の元となる。Rigatelliらは、奇異塞栓類似となり、左房機能障害を生じるという。
Rigatelliらは、98名の卒中既往ある連続患者で、異なるPFO閉鎖デバイスで治療、左房empyting、導管機能、駆出率をエコーコントラストにて50名のAF患者と比較し、70名のリスクマッチ化対照研究を行った。
PFO閉鎖された卒中患者は異常な心房機能をベースラインでは示し、心房細動と類似した状況であったが、閉鎖後、左房パラメータは正常化した。
さらなる解析にて、中等から重症心房中隔瘤を有する場合左房機能障害の強い予測因子となった。
この研究から中等度・重症心房中隔瘤がPFO患者の左房機能障害と関連していることが示唆されると著者らは主張。心房細動患者と類似のメカニズムだということである。
卵円孔開存(PFO)は人口の25-26%に存在してるため、いろんな血管系疾患の原因として引き合いにだされやすいのだろう。
脳卒中の塞栓としての原因として、PFOのシャントが問題なのか? 心房瘤が問題なのか?という問題は以前から議論sれていたと思うのだが・・・
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(小林製薬のいんちきCMのように)、こんな図をみせられたら、やはり、シャントが問題とかんがえてしまう
エディトリアルには、PFOが必ずしも大きな役割をお果たしてないと考え、
Rigatelliらの研究の示唆するところの、左房機能の改善に寄与する様々な閉鎖デバイスの開発が必要となるだろう。
by internalmedicine | 2009-07-23 16:40 | 動脈硬化/循環器