病巣同側縦隔リンパ節転移の病期III 非小細胞肺癌治療:化学療法+放射線療法±手術切除
2009年 07月 27日
Radiotherapy plus chemotherapy with or without surgical resection for stage III non-small-cell lung cancer: a phase III randomised controlled trial
The Lancet, Early Online Publication, 27 July 2009
doi:10.1016/S0140-6736(09)60737-6
【背景】stage IIIAのNSCLC・同側縦隔リンパ節転移(N2)症例で、同時性化学療法・放射線療法後の切除の実行可能性について、生存率の可能性が示された。故に、pIIIトライアルにて、手術後の同時化学療法+放射線療法と、切除無しの標準化学療法+放射線療法を比較。
【方法】 T1-3pN2M0 NSCLC患者をランダムに1:1で割り付け
・ concurrent induction chemotherapy ( 2サイクルのcisplatin [50 mg/m2 on days 1, 8, 29, and 36] + etoposide [50 mg/m2 on days 1—5 and 29—33]) + radiotherapy (45 Gy))
もし、進行がなければ、1群は切除、2群は化学療法を繰り返し61Gyまで中断無く行う
2つのcisplatin+etoposideサイクルを両群で追加
プライマリエンドポイントは包括的生存率(OS)で、ITT解析
【結論】1群:202名の患者(年齢中央値 59歳、レンジ 31-77)、2群:194名(61 歳, 32—78)
OS中央値は、1群 23.6ヶ月(IQR 9.0-非達成)、2群22.2ヶ月(9.4-52.7ヶ月)(ハザード比 [HR] 0·87 [0·70—1·10]; p=0·24)
5年生存数は、1群37 (point estimate 27%) 、2群24(point estimate 20%) (オッズ比 0·63 [0·36—1·10]; p=0·10).
開胸時N0の状態にて、OS中央値は33.4ヶ月 (5年生存:IQR 15·7—非到達; 19 [point estimate 41%] )
進行無し生存:Progression-free survival (PFS)は、1群12·8 ヶ月 (5·3—42·2) vs 、2群 10·5 ヶ月 (4·8—20·6)、 HR 0·77 [0·62—0·96]; p=0·017)
5年時点進行無し生存数 32 (point estimate 22%) versus 13 (point estimate 11%)
好中球減少と食道炎が主要グレード3、4の化学療法・放射線療法毒性で、1群 77 [38%] と20 [10%])、2群 80 [41%] and 44 [23%]。
死亡 1群 16 (8%) versus 2群 4 (2%)
調査解析にて、OSは、化学療法+放射線療法比較で・・・肺葉切除で改善するが、肺全摘出術では改善しなかった。
化学療法+放射線療法±切除(肺葉切除が望ましい)はIIIA(N2)・NSCLCの治療オプションである。
”Multimodality therapy ”が好ましいとされていたが、ランダムトライアルデータが不足していると、ガイドラインにも書かれていた。
↓
Treatment of Non-small Cell Lung Cancer-Stage IIIA*
ACCP Evidence-Based Clinical Practice Guidelines (2nd Edition)
http://www.chestjournal.org/content/132/3_suppl/243S.full
by internalmedicine | 2009-07-27 14:52 | がん