オーガニック(有機)食品に栄養的優秀性みとめず

オーガニック、すなわち、有機農産物のたぐいの定義は、日本では”有機農産物の日本農林規格”で定義されているようだ。参考:http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/seisan/tokuteinoyaku_iinkai/2/refdata1.pdf

”化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法”で、化学肥料や農薬を極力さけたもの

NOSB Definition:http://www.ota.com/definition/nosb.html



ちまたにあふれる、“有機なんたら食品”の健康上の有用性があるかどうか?・・・大事な検討がなされた。


50年に及ぶ文献のシステマティック・レビューで、オーガニック製品は栄養的に優れているというエビデンスは見いだせなかったという報告が、The American Journal of Clinical Nutrition誌に掲載

Alan D Dangour, Sakhi K Dodhia, Arabella Hayter, Elizabeth Allen, Karen Lock and Ricardo Uauy.
Am J Clin Nutr, July 29, 2009.
DOI:10.3945/ajcn.2009.28041


2007年ベースで、オーガニック食品産業は290億ポンド(480億USドル)世界で生産され、プレミアム価格で販売され、健康・栄養上良いと信じられてきた。

13栄養カテゴリーに基づき解析、化学物質残留は検討せず

・52000論文から、152 (農産物 137 、家畜製品  25) を検討クライテリアに合致するとして検討、だが、十分な質に到達してたものはわずか55のみ
・通常の農産物は有意に窒素濃度を含む
・オーガニック製品農産物は有意に鈴・高濃度のtitratable activityを有した。
・8つの農産物の栄養カテゴリーの間に差異のエビデンス無し
・質の低い研究群の解析で、家畜製品について、栄養成分に、オーガニックと通常の製品の差異のエビデンス無し



プレスにて、栄養成分にごく少数の差が認めらたが、オーガニック製品が健康上の明らかな妥当性があるとは思えないと述べており、オーガニック製品をわざわざ支持する理由がみつからないとしている。

消費者が、科学性を無視して、無農薬宗教のようになっていて、その裾野が広がっている。日本の役所は、その動きを冷静に検討したり、たしなめたりすることなく、偏執的消費者に迎合して、ポピュリズム行政を突っ走っているように思えるのだが・・・遺伝子組み換え食品など、とんでもない部分で反対している消費者団体がいるが・・・かれらに迎合しても、生産性がないとおもうのだが・・・

by internalmedicine | 2009-07-30 12:14 | 環境問題  

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