State of the paper: ω-3不飽和脂肪酸と心血管疾患
2009年 08月 04日
STATE-OF-THE-ART PAPER
Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids and Cardiovascular Diseases
J Am Coll Cardiol, 2009; 54:585-594, doi:10.1016/j.jacc.2009.02.084
30年からの広範なエビデンスがあり、ω-3PUFAはすべてに対して有益性が高い。4つの対照トライアル、約4万人の被験者にて、EPA±DHAの一次予防、心筋梗塞後、心不全に対する研究がなされている。
心不全に関して、3つの大規模ランダム化トライアルで、ω3PUFAsがCVリスクを一次予防・二次予防でも低下
・Diet and Reinfarction Trial (DART)(http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c1999097.html)
・Gruppo Italiano per lo Studio della Sopravvivenza nell' Infarto Miocardico (GISSI)-Prevenzione
・Japan EPA Lipid Intervention Study (JELIS)
ベネフィットは研究ごとに異なるが、30%ほどであろうと著者らは述べており、総死亡率、突然死、CHD死亡率、心血管死亡率においてその効果が認められるとしている。
OMEGA研究(http://circ.ebm-library.jp/conferences/trial_ACC_2009.html#acc2009OMEGA)では、心筋梗塞後の研究では、すでに至適治療下にある低リスク患者でもω-3 PUFAの付加的短期ベネフィットを証明。
動脈硬化、広範な不整脈に関して効果の報告があり、AFに関して潜在的ベネフィットの可能性があるが、。抗不整脈作用、自律神経トーン、抗炎症効果などを含め今後検討が必要
心血管疾患の一次予防、二次予防に関して考察し、EPA+DHAは、基礎疾患無い場合 最低1日500mg/日、冠動脈性心疾患・心不全の場合 800-1000mg/日使用すべきとしている。
DHAとEPA至適比率に関して研究が必要
日本でも、EPA/DHA製剤の発売が噂されているが・・・
by internalmedicine | 2009-08-04 15:05 | 動脈硬化/循環器