システマティックレビュー・メタアナリシス:基礎インスリン補充 vs 2回打ち vs 食事後と食前投与
2009年 08月 05日
インスリン・グラルギン(ランタス)、インスリン・デテミル(レベミル)がインスリン基礎分泌の補充として使われているわけだが、これと、2回打ち、毎食前打ちを比べたときの比較
Optimal insulin regimens in type 2 diabetes mellitus: systematic review and meta-analyses
雑誌Diabetologia 0012-186X (Print) 1432-0428 (Online)
【目的・結果】 2型糖尿病で二相インスリン・二回打ち、基礎インスリン打ち、毎食前打ちインスリン投与でのそれぞれの血糖コントロール、臨床的アウトカム、副事象イベントへの影響
【結果】22のランダム化4379名の患者を含み
7つのトライアルでは、インスリン使用+タイトレーション・スケジュールとした
低血糖定義や、血糖目標にばらつきあり
メタアナリシスはインスリンnaiveな患者のデータのプーリングデータで行った
biphasicと食事時インスリン投与が、基礎インスリンに比べ、HbA1c減少が大きく、それぞれ 0.45%
(95% CI 0.19–0.70, p = 0.0006) 、0.45% (95% CI 0.16–0.73, p = 0.002)
しかし、空腹時血糖の減少は、それぞれ93 mmol/l (95% CI 0.21–1.65, p = 0.01) 、2.20 mmol/l (95% CI 1.70–2.70, p < 0.00001)と少なかった。
研究終了時、biphasicとprandial armでは、インスリンの量が多くなった。
重大低血糖に差はないが、軽度低血糖の報告は一致しておらず、基礎インスリンと同様より多い報告であった。
basal insulin治療に比べ、食事時投与で、体重増加がみられる。(1.86 kg, 95% CI 0.80–2.92, p = 0.0006).
【結論・解釈】 インスリンを二回打ち、食前打ちで補正する場合、基礎インスリン投与1回打ちに比べ、HbA1c減少の改善がみられる。しかし、低血糖の定量化がなされてないリスクがみられる。
長期フォローアップにて臨床的に明かどうか決定する必要がある。
by internalmedicine | 2009-08-05 15:34 | 糖尿病・肥満