性ホルモン結合グロブリン遺伝子変異がSHBG血中濃度と2型糖尿病発症と原因的に相関
2009年 08月 06日
SHBG遺伝子の2つの生殖系変異が、直接、SHBGの血中濃度と、2型糖尿病のリスクと相関とのこと
関連解説記事:http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/15403
Sex Hormone–Binding Globulin and Risk of Type 2 Diabetes in Women and Men
www.nejm.org August 5, 2009 (10.1056/NEJMoa0804381)
【背景】 循環中の性ホルモン結合グロブリン値がインスリン抵抗性と逆相関するが、これが2型糖尿病の発症リスク予測となるかどうか不明
【方法】 Women's Health Studyの閉経後女性のホルモン治療を行ってない群のnested case-control studyを施行(新規二型糖尿病発症359名 vs 359名対照)
性ホルモン結合グロブリン血中値を測定
タンパク濃度と関連が深いSHBG(性ホルモン結合グロブリン)コード遺伝子の2つの多形型をmendeliaa randomization analysisを適用して解析
【結果】 女性のうち、血中性ホルモン結合グロブリンは前向きにみて、2型糖尿病のリスク低下と相関
多変量オッズ比は、最小四分位に比較して、第2四分位 0.16 (95% 信頼区間[CI], 0.08 ~ 0.33) 、第3四分位 0.04 (95% CI, 0.01 ~ 0.12)、第4(最大)四分位 0.09 (95% CI, 0.03 ~ 0.21) (P<0.001 for trend)
この前向き相関は、男性でも復元化され (最高四分位 vs 最小四分位オッズ比, 0.10; 95% CI, 0.03 ~ 0.36; P<0.001)
それぞえの野生種alleleのhomozygote比較
SHBG SNPS rs6259の変異alleleのキャリアは10%性ホルモン結合グロブリン値が高い(P=0.005)
rs6257変異キャリアは10%血中濃度が低い (P=0.004)
SNPs変異は、性ホルモン結合グロブリンレベルと関連した2型糖尿病リスクと相関する。
メンデルランダム解析にて、2型糖尿病予測オッズ比は、性ホルモン結合グロブリン血中レベルSD増加ごとに、女性 0.28(95%CI 0.13-0.58)、 男性 0.29 (95% CI, 0.15 - 0.58) で、causal roleとしての役割を果たしている
【結論】 性ホルモン結合風呂部林の血中値は二型糖尿病男女の強い予測因子であり、SHBGと血中のレベルの二型糖尿病リスク戦略や介入に関して、臨床的有用性は今後の課題
"mendelian randomization”による解析
参照:CRPは虚血性血管疾患の原因ではない:mendelian randomization法による解析 2008-10-30
bystanderというより一つ踏み出している解析で、リスク介入に対する期待が持たれる。
男性ホルモンは心臓には有害、呼吸器には有益に働く? 2007-06-26
by internalmedicine | 2009-08-06 11:30 | 動脈硬化/循環器