豊かな国は「少子化」克服、日本は例外的
2009年 08月 06日
豊かな国は「少子化」克服、日本は例外的
社会・経済が発展すると晩婚、出産の高齢化が進み、出生率は下がると考えられてきたが、発展がある段階を超えると、出生率は再び増加に転じる傾向にあることが、米ペンシルベニア大学などの分析で明らかになった。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090806-00000171-yom-sci
この原文は以下と思われる。
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Advances in development reverse fertility declines
Nature 460, 741-743 (6 August 2009) doi:10.1038/nature08230; Received 1 April 2009; Accepted 17 June 2009
国が豊かになるとそれに伴って出生率が低下するため、多くの先進国(と一部の発展途上国)では出生率が、人口置換水準(1人の女性が一生の間に産む子どもの数が約2.1人)以下に低下している。この「少子化」と人口高齢化が合わさって、多くの難しい社会問題や政治問題が生じている。しかし、 Myrskyläたちは今回新たに、合計特殊出生率と人間開発指数との関係を横断的および縦断的に分析し、経済がある程度以上に発展すると、出生率が再び上昇し始め、人口高齢化の速度が遅くなることを明らかにしている。その結果、現在の一般的議論や科学者による議論とは対照的に、最も発展した段階に達した国は、人口が比較的安定すると考えられ、ある程度の移民がある場合には、総人口が増える可能性が高い。
Countries with a 2005 HDI greater than or equal to 0.9 include (2005 HDI in parentheses): Australia (0.966), Norway (0.961), Iceland (0.956), Ireland (0.95), Luxembourg (0.949), Sweden (0.947), Canada (0.946), Finland (0.945), France (0.945), the Netherlands (0.945), the United States (0.944), Denmark (0.943), Japan (0.943), Switzerland (0.942), Belgium (0.94), New Zealand (0.938), Spain (0.938), the United Kingdom (0.936), Austria (0.934), Italy (0.934), Israel (0.922), Greece (0.918), Germany (0.916), Slovenia (0.913) and South Korea (0.911).
人間開発指数:Human development index(HDI)って、”the primary index used by the United Nations Development Programme (UNDP) to monitor and evaluate broadly defined human development, combining with equal weight indicators of a country's health"(Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E9%96%8B%E7%99%BA%E6%8C%87%E6%95%B0)
いろいろ、議論はあるようだが、”経済がある程度以上に発展すると、出生率が再び上昇し始め、人口高齢化の速度が遅くなることを明らか”らしいのだが・・・日本人には、ほんとは”子供を産み育てる経済力がない”のでは?
日本でも06年以降の出生率は3年連続で微増してはいるが、コーラー教授は「日本は明らかな例外。男女間格差や女性が働きにくい労働環境など、複数の要因が重なっている」と分析している。
”女性が働きにくい労働環境”がなぜ、少子化につながるのか?・・・逆ではないかと・・・
日本では、私たちの親の世代をみると、専業主婦だと安心して子育てに専念できたはずなのに・・・こういう指摘はマスコミや政治家ではタブーなのだろうか?
by internalmedicine | 2009-08-06 15:29 | 医学