ST上昇心筋梗塞PCI患者での心房細動の検討:抗凝固未治療の多さと予後との関連

本来の、APEX-AMIトライアルは・・・
1. The APEX AMI Investigators. Pexelizumab for acute ST-elevation myocardial infarction in patients undergoing primary percutaneous coronary intervention: A randomized controlled trial. JAMA 2007; 297:43-51.
2. Eikelboom JW, O'Donnell M. Pexelizumab does not "complement" percutaneous coronary intervention in patients with ST-elevation myocardial infarction. JAMA 2007; 297:91-92.
など、急性ST上昇型心筋梗塞患者において,PCIに補体C5に対するヒトモノクローナル抗体pexelizumabを併用した場合の有効性を検討したもの


それを利用して、”PCIを受けた患者において、心房細動は、ベースライン・退院時で4.8、2.5%、急性発症AF比率は6.3%で、90日死亡率と相関し、プライマリPCIを受けた患者で副事象アウトカムのマーカーとなり得る”という結論を導き出した。


Antithrombotic therapy and outcomes of patients with atrial fibrillation following primary percutaneous coronary intervention: results from the APEX-AMI trial
Lopes et al. Eur Heart J.2009; 0: ehp213v1-ehp213
心房細動の頻度とタイミングを評価するため、抗血栓治療、90日間死亡率、セカンダリ臨床アウトカム関連の評価を行った。

5745名のST上昇心筋梗塞、PCI治療研究(APEX-AMI)
約11%が入院中AF。心房細動頻度はベースライン、退院時で4.8% [信頼区間 (CI) 4.3–5.4%]、2.5% (CI 2.1–2.9%)
ベースラインAFなしの急性発症AF 5466名の比率は6.3% (CI 5.6–6.9%).
リスクとして、1000人日において、新規発症9.3の頻度となる
新規発症AFは90日死亡率と独立して関連 、ベースラインの共役因子・入院時施行術・合併症補正後[補正ハザード比 (HR) 1.81; 95% CI 1.06–3.09; P = 0.029]
新規発症AFは、基礎共役因子斟酌モデルにおいて、ショック補正 HR 3.81; 95% CI 1.88–7.70; P = 0.0002)、うっ血性心不全(補正 HR 2.66; 95% CI 1.74–4.06; P < 0.0001)、卒中 (補正 HR 2.98; 95% CI 1.47–6.04; P = 0.0024と関連
AF患者のうち、55%は退院時経口抗凝固療法をうけておらず、冠動脈ステント患者において、5.1がトリプル治療下で退院。
卒中高度リスク患者(CHAD2 スコア≥2)は、経口抗凝固療法を受けてない (39%)
退院時ワーファリン治療は43.4%で、90日死亡率・卒中低下と関連。

by internalmedicine | 2009-08-08 09:11 | 動脈硬化/循環器  

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