ppbレベルで問題になっているこの時代、"PPM信仰を打破せよ”という記事を載せる産経!

産経新聞・オピニオン(本日 H21.8.8付け)学習院大学教授 香山健一(昭和50.11.4掲載)
「”PPM信仰”を打破せよ」という新聞掲載
(ウェブ魚拓 )

我が国のNO2の環境基準0.0二PPMは、①慢性気管支炎の有症率との単純きわまる相関関係を基礎とにするという医学的誤謬と②慢性気管支炎の有症率の自然水準三%以下の三都市とその以上の三都市の系六都市のデータから、最小2乗法で単純に直線を引き、その交点から0.0二PPMという基準値を導き出すという統計学的にも全く話にならないでたらめなものであった。


”慢性気管支炎”という病名はもともとイギリスの郵便配達員のスモッグ被害への保障から人為的線引きに利用された自覚症状に基づく病名である。故に、真に客観的といわれると、疑問が残る。
たあ、相関関係があるという事実を、”誤謬”と一方的に言い張るのは、大学教授という社会的立場にある人としてはどうなのだろう?これが誤謬であったとしても、一つの報告の誤謬ですべてを否定して、それを一般化して、スローガンまで作る人間って・・・底が浅すぎはしないだろうか?


その後の研究で、CO、NO224時間平均濃度は心機能、心筋梗塞・狭心症受診増加と関連、そして、最近ではオゾンはもっとも呼吸器系疾患受診と関連し、ぜんそく・COPDで多いなどと関連し、PM10やPM2.5とぜんそくの関連が明らかとなっている(Environ Health. 2009 Jun 10;8:25.

一文を書き抜くと、
24-hour average concentrations of CO and NO2 lag 0 days exhibited the most consistent associations with cardiac conditions (2.1% (95% CI, 0.0-4.2%) and 2.6% (95% CI, 0.2-5.0%) increase in visits for myocardial infarction/angina per 0.7 ppm CO and 18.4 ppb NO2 respectively



ppmどころか、ppbのお話になっているこの時代!

産経新聞は、程度の低い記述子をみつけるのが得意のようだ

e.g. たばこの煙はぜったいにすいたくないという、自分のことしか考えない人が増えてきた・・・森永氏 | 2009-04-10


自動車会社からへの応援メッセージですか? 産経新聞さん !

この新聞・・・ほんとにアホすぎる



Systematic review
The effects of air pollution on the incidence of myocardial infarction – A systematic review
Heart. Published Online First: 26 July 2009. doi:10.1136/hrt.2009.175018


新聞屋に社会正義というのはないのだろうか?

by internalmedicine | 2009-08-08 10:54 | メディア問題  

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